米国の首都、ワシントンD.C.に本社を置く新聞社「ワシントンポスト」は8月5日(現地時間)、「Amazon.com」の創業者であるJeff Bezos氏によって2億5000万米ドルで買収されたことを発表した。個人資産での買収であり、Amazon.comは関与していない。
ワシントンポストは、1877年に設立され、ニューヨーク・タイムズやウォール・ストリート・ジャーナルなどと並ぶ老舗の米国大手新聞社。ワシントンD.C.に本社があることなどから政治に関する取材に重点を置いており、ニクソン大統領の辞任に発展したウォーターゲート事件のスクープなどが有名。所属記者によるピューリッツァー賞の受賞など数多くの実績を持つ。
発表の中でBezos氏は、「私は、ワシントンD.C.とアメリカにおけるワシントンポストが果たす重要な役割を理解しています。ワシントンポストの考え方、価値観を変えることはしません。ワシントンポストの"心"を変えずに続けることが、読者に対する義務だと考えている」とコメントしており、新聞社としての編集方針などに手を加えないことを表明した。
なお、今回の買収は会社全体ではなく、新聞と一部出版事業であり、教育事業を行うKaplan、ケーブルテレビ事業のCable Oneなどが買収の対象外となる。それにともない、買収対象外の事業を継続する「ワシントンポスト」は社名を変更すると発表している。