NECは7月31日、子会社であるNECカシオモバイルコミュニケーションズの携帯電話端末事業を見直し、スマートフォンの新規開発を中止すると発表した。NECカシオモバイルコミュニケーションズは、2012年度に売上高1400億円、スマートフォンとフィーチャーフォンを合わせて290万台の出荷台数実績を残していた。

NECリリースより

NECでは、スマートフォンの急速な普及によって携帯電話端末市場が大きく変化する中で、端末競争力を強化するためにはスケールメリットが重要であると分析していた。しかし、同社のスマートフォン出荷台数は減少傾向にあり、将来に向けて業務改善の見通しが立たず、今回の決定に至ったという。

一方で、スマートフォンと同じAndroidを利用するタブレット端末事業については事業を継続するという。また、フィーチャーフォンの開発についても継続する予定で、埼玉日本電気での生産も引き続き行われる。

同社は、ポートフォリオ経営を強化することで、経営資源を社会ソリューション事業に集中するという。これまでの携帯電話端末事業で培ってきた無線通信やヒューマンインタフェースなどの技術・ノウハウを中核事業に集約し、事業強化を図るとしている。

なお、NECカシオモバイルコミュニケーションズの従業員は、タブレット端末事業とフィーチャーフォン事業の関係者を除き、NECグループ内で社会ソリューション事業を中心として再配置するとしている。