三菱電機は、データセンターのサーバーなど情報通信技術(ICT)関連機器の給電を380Vの高電圧直流(HVDC)化し、システム全体の電力損失低減により省エネを実現する高電圧直流給電システム「MELUPS DECO」の発売を8月1日より開始すると発表した。
「MELUPS DECO」製品画像 |
情報処理能力や通信技術の発展に加えて、クラウドコンピューティングやSNS等の普及に伴い、ICT機器の需要が急増しており、ICT機器を収容するデータセンターの延床面積は、2016年度には11年度比1.3倍になる見込みで、今後、データセンターにおける消費電力を大幅に削減することが求められている。そこで、三菱電機では、新製品を開発し、発売を開始する。
同製品の特長は、「高電圧直流給電により、システム変換効率が従来比9ポイント向上」、「同社独自の省エネ機能ダイヤモンド・エコ・ドライブで、電力消費を節約」、「他系統への給電を維持しながら、安全に改修作業ができる分電盤を採用」。
電源システムの直流化により電源の変換段数を削減するとともに、高電圧化(DC380V)による給電損失の低減により、電源システムの効率を向上できる高電圧直流給電システムを発売。さらに、ICT機器の消費電力変動に応じて電源ユニットの運転台数を最適制御する「ダイヤモンド・エコ・ドライブ」を採用したことで、低負荷時から定格負荷時まで全領域で高い運転効率の維持を実現し、省エネルギー化に貢献する。
また、高電圧化によって、配線ケーブルの細径化と長距離化ができるため、設備コストの低減と、自由な設備レイアウトが図れる。
同製品は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から「グリーンネットワーク・システム技術研究開発プロジェクト(グリーンITプロジェクト)/エネルギー利用最適化データセンタ基盤技術の研究開発/データセンタの電源システムと最適直流化技術の開発」業務委託を、NTTファシリティーズ、長崎大学及び三菱電機が受託したもの。委託期間は2009年8月から2013年3月。