7月22日に英国で誕生したロイヤルベイビー、産院を退院したキャサリン妃とウィリアム王子が生まれたばかりのジョージ王子を抱いた写真は、世界中を駆け巡った。

世界中のメディアが取り上げ、英国での王室支持率はアップし、キャサリン妃とウィリアム王子への好感もアップしているようだ。

この一家からマーケティングへの教訓を得られないか――Open Forumが「ロイヤルベイビーがマーケティングについて教えてくれること(原題 : What the Royal Baby Can Teach You About Marketing)」と題して、いくつかのポイントを挙げている。

1.忠実な態度

キャサリン妃とウィリアム王子が人々の心をつかんだのは、2人の夫婦が当初から一環している地に足の付いた自然な行動にある。これまでもそうだったように、新生児を抱いた2人の服装、表情や振る舞いはどこにでもいそうな若い夫婦そものものだった。ウィリアム王子は新しい家族を伴った帰宅にあたって、運転手に任せるのではなく、自分で車を運転したという。

教訓 : 顧客は、取引する企業の先に本物の人がいることを知りたいと思っている。Webサイトやソーシャルメディアでのマーケティングでは、「人」の側面を隠さず、自分たちのことをシェアしよう。そして、ハッシュタグの活用もお忘れなく。

2.期待を維持

赤ちゃん誕生というだけでも期待が高まるものだが、2人は生まれる赤ちゃんの性別を調べなかった。人々は性別についての話をし、賭けもあり、数カ月の妊娠期も話題を維持した。誕生の後は、名前をめぐって賭けが行われた。

教訓 : 次にイベントや新製品発表をする際は、戦略をちゃんと立ててソーシャルメディアでの大きなサプライズや仕掛けを用意してはいかがだろう? 「まもなく重大発表を行います」といったティーザーを打つのもいいだろう。

3.古さと新しさをミックス

キャサリン妃とウィリアム王子は「普通」が特徴のモダンなカップルだが、英王室という大きな伝統も引き継いでいる。今回も、Facebookの公式ページ、公式Twitter、公式Instagramで赤ちゃん誕生を発表するなど、新生児誕生というビックイベントにいま風の要素を取り入れながらも、英王室の伝統を踏襲し、バッキンガム宮殿に誕生を知らせる画架(イーゼル)を設置した。

教訓 : ターゲットが高年齢者であってもオンラインを利用していることはあり、若者でも雑誌や新聞広告に目を通す。どちらかに偏らないマーケティングを展開すべきだ。

英国王室 公式Facebook

4.憎悪を無視する

ロイヤルベイビーの誕生についての投稿や共有、さらにはスパムまで登場したことから、欧米ではどうやったらFacebookとTwitter上でロイヤルベイビーのニュースを遮断できるかの記事まで登場した。だが、敬遠する向きを気にする必要はない。Facebookでは誕生してから最初の1時間の間に100万の「いいね」を集めているのだ。

教訓 : マーケティング活動にみんなが反応する訳ではない。だからといって、無反応な層を心配することはない。興味や関心を示している人にフォーカスして展開することが大切だ。