富士通ソーシアルサイエンスラボラトリは30日、NTT空間情報と販売契約を締結し、地図データ「GEOSPACE」および同製品のクラウド配信サービス「GEOSPACE CDS」の取り扱いを開始した。同社は本製品の取り扱いを通じ、特に自治体向けの地理情報システム(GIS)構築サービスを強化するという。

GEOSPACEは、従来通信インフラ設備の維持・管理を目的に作成・活用されてきたシステムであり、可住地域だけでなく山間部や離島に至るまで、精度の高い地図や航空写真を表示できる。また、国勢調査などの各種統計情報を組み合わせることで、利用者分布に応じた公共施設の最適な立地の検討や、災害時における影響範囲のシミュレーションなどに活用できる。

GEOSPACEで閲覧できる東京スカイツリー周辺の画像

クラウド配信サービスでは、PC台数に応じた年間利用料で最新の電子地図・航空写真・衛星写真が利用できるほか、地図を印刷物や報告書などへ使用する際の二次使用料は発生しない。富士通SSLのGISパッケージソフト「MapInfo」の背景地図としても利用可能とのことだ。

富士通SSLは、これまで培ってきた地図データを活用した構築サービスのノウハウとGEOSPACEを組み合わせ、一般企業だけでなく自治体の業務効率化や意思決定の迅速化を支援したいとしている。

自治体向けサービスの例としては、「災害時における被災世帯数の把握や影響範囲のシミュレーション」「公共施設の最適立地検討や有効活用促進」など、GEOSPACEを活用した災害マップや施設の管理・調査マップなどが考えられるという。