シスコシステムズは30日、楽天が新たに開設したデータセンターのネットワーク基盤にデータセンター向けスイッチ製品「Cisco Nexus」とルーティングの柔軟性を提供する「Cisco Fabric Path」を採用したことを発表した。

楽天グループは、「楽天市場」に代表されるeコマースや電子書籍、トラベルなどのインターネットサービスに加え、銀行、証券、クレジットカード、電子マネー、プロスポーツなど幅広いビジネスをグローバルに展開している。同社は、急速な事業の拡大とグローバル展開で、動的な市場環境への適合と新規ビジネスの展開に対応できるインフラ構築を求めていた。従来のサイロ型データセンターインフラは、操作が複雑で拡張性と管理性も制限されていたため、機会損失の恐れが懸念されていた。

そこで楽天はシスコと協力し、拡張性、パフォーマンス、信頼性をシンプルに提供する新しいデータセンターアーキテクチャを構築することで、データセンター間を相互接続するネットワークソリューションをベースとしたデータセンターの展開を目指したという。

楽天が導入したCisco Nexusシリーズは、レイヤー2/3技術を融合することによってスパニングツリーを使わず仮想環境に最適なL2ネットワークを実現するCisco Fabric Path技術と、I/Oの統合により高密度・高効率なサーバ収容を実現するCisco Fabric Extender技術を実装している。

楽天によれば、Cisco製品の採用により、ネットワーク基盤の集約化と効率性の向上が実現し、運用コストの削減と楽天市場を中心としたインターネットサービスをより迅速に世界市場に展開することが可能となったとしている。