防災科学技術研究所は、地域のさまざまなコミュニティが協働して防災活動に取り組むことを目的に、防災マップやラジオドラマを作成する「第4回防災コンテスト」を開催している。応募締め切りは2013年11月30日、表彰は2014年2月22日を予定。

このコンテストで参加者は、同研究所が開発した「eコミュニティ・プラットフォーム」を活用する。このシステムは、「災害リスク情報プラットフォームの研究開発」の一環として開発された地域社会を支える統合情報基盤である。参加者は、防災活動に取り組むコミュニティや災害時に協力しあうコミュニティを作り、この基盤を用いて「e防災マップ」と「防災ラジオドラマ」を作る。

「e防災マップ」と「防災ラジオドラマ」の製作例

e防災マップは、地域の防災に役に立つ情報を地図に表したもので、例としては「過去の地域の災害履歴や経験に関するマップ」「平時の防災活動や防災訓練に関するマップ」「災害時の安全な避難や対応に関するマップ」「要援護者等の災害対応に関するマップ」などがあげられる。

茨城県つくば市千現地域の事例では、子どもたちの夏休みの自由課題として、近所の家族と自治会長が集まり、オリジナルの防災マップを作った。当地域では、防災物資が備蓄されていないことを課題に取り上げ、地域内の事業所や商店などに「災害時にどのような協力ができるか」というアンケートを実施し、結果を地図に表して防災マップを作った。

防災ラジオドラマは、災害時に起こりうる事態や対策のアイデアを物語形式に整理したものである。例としては、「災害経験や史実からの教訓に関するドラマ」「地域防災上の課題や対策に関するドラマ」「災害時の地域被害と具体的な対応に関するドラマ」「防災意識啓発に関するドラマ」などが考えられる。

茨城県つくば市立吾妻小学校の例では、防災活動の一環として、地域に共働き世帯が多いことから、災害の発生直後に子どもの安否確認や引き渡しが困難になることを課題に取り上げ、子どもたちと先生、PTAが集まって話し合った結果をシナリオ化し、学校オリジナルの防災ラジオドラマを作った。

地域のコミュニティだけでなく、学生グループやシルバーグループなど、地域の防災活動に取り組みたいと考えているグループは誰でも参加することができる。