村田製作所は、920MHz無線モジュールを利用した「温湿度センサシステム」と「センサ連動型照明無線制御システム」を、2013年8月1日からオリックス・リビングの「オリックス・リビング イノベーションセンター」(グランフロント大阪ナレッジキャピタル8F)に設置し、機能の有用性に関する検証を開始する。

先進国において高齢化が進んでおり、病院や施設のほか、在宅介護者の増加が予想されている。特に在宅介護では、病院や施設のように常時観察することが難しいため、要介護者の異常をいち早くキャッチし、事故や病気を未然に防止することが重要である。

そこで村田製作所は、センサと無線通信モジュールの技術を組み合わせたソリューションを提案し、前出の社会的課題に取り組むことにしたという。人が安全で快適に過ごせることを重視し、ソフトウェア開発技術や独自の高周波回路設計技術を活用して、温湿度センサシステムとセンサ連動型照明無線制御システムを開発し、オリックス・リビングの協力の下、実用化に向けた検証を開始した。これらのシステムにより、入居者に快適な空間を提供すると同時に、現場スタッフの負荷軽減を実現するという。

温湿度センサシステムは、温湿度センサと無線通信モジュールを組み合わせたシステムであり、集中管理室への設置を想定したパソコンに各部屋の状態を表示する。閾値を超えるとアラームが鳴る仕組みになっており、高い温湿度が影響するといわれている「隠れ熱中症」の早期発見・予防に役立つ。

センサ連動型照明無線制御システムは、照明機器を選ばずオン/オフ制御が可能なシステムを導入することで、特に広い施設の中の共有部にある照明をスタッフが巡回して操作する手間・時間を削減する。医療・看護期間では夜間スタッフが少なく、短時間でもサポートに充てられるようになる。焦電型赤外線センサと連動させることにより、在室状況に応じて照明を自動でオン/オフでき、入居室では個人の好みに合わせた調光が可能となる。