ヤンマーは25日、全社でブランドイメージを統一する目的のプロジェクト「YANMAR PREMIUM BRAND PROJECT」発表会にて、工業デザイナーの奥山清行がデザインしたコンセプトトラクター「YT01」を公開した。
「YT01」は、同社によれば「日本の農業の新しい姿を提案」するためのトラクター。同機のデザインには、同社がこれから量産モデルに展開していく多様なテーマが含まれている。後方に細く絞られたボンネットや大きく丸みをおびたキャビンは、軽快なスタイリングだけではなく、業界トップクラスの視界性と快適性を実現。車体のメタリックレッドは、従来の"ヤンマーレッド"をさらに進化させたものであり、「作業機としての力強さ」と「農家の方々が誇りを持つ」ことができる、高級感あふれる色合いとなっているとのこと。
また、同機は無人走行による追従システム「Robot Tractor」を搭載し、複数の作業工程をひとりの作業員で効率よく行う事ができる新たな農業の姿を提示している。このシステムは、現在ヤンマーの中央研究所で実用化に向けて研究開発が行われている最中だという。なお、同機がもつデザインやイノベーションは、今後登場するヤンマーの量産トラクターや管理機などの農業機械を通して提供されていくということだ。
なお、同機をデザインした奥山清行は、「フェラーリ・エンツォ」を筆頭とした自動車やドゥカティなどのオートバイ、鉄道、船舶、建築、ロボット、テーマパークなど、数多くのデザインを手がけ、世界的に活躍している工業デザイナー。奥山は同社の取締役に就任し、彼の事務所である「KEN OKUYAMA DESIGN」が全商品のデザインを手がけていく。ちなみに、佐藤可士和が手がけたヤンマーのブランドロゴマークもこのプロジェクトの一環として生み出されたものだ。