ソフトバンクは7月23日から24日にかけて、法人向けイベント「SoftBank World 2013」を開催した。モバイル、クラウド、グローバルをキーワードにしたイベントの冒頭では、ソフトバンクグループ代表の孫正義氏による基調講演も行われた。
同氏の基調講演のタイトルは「世界へ挑む」。米国第3位の携帯電話事業者であるSprint Nextelの買収を7月11日に完了させてから初めて公に登壇した孫氏は、この買収について「やきもきしまた。すったもんだがありました。かなり紆余曲折で、結局少しお金が高くついてしまいましたが、ようやく予定通り買収が完了しました」と報告した。
Sprint Nextelとソフトバンクグループの売上高を合計すると、2012年1-6月期は2.5兆円。China Mobile、Verizonに続く世界第3位に位置することになる。累計契約数は9,804万とVerizonに迫る。これを受けて「国内で2位か3位かという話はどうでもいい。世界で3位。はかり方の物差しを変えよう」と国内よりもグローバル市場を意識している点を強調した。
この買収によって、Sprint Nextelの世界30カ国の拠点と、165カ国に展開するグローバルネットワークが活用できるようになった。この体勢でパートナー企業の支援を行いたいとした孫氏は「この20年、経済は停滞してきた。今後人口が減る、少子高齢化になる日本にとって世界に打って出ることは必要不可欠だと思う。Digital or Die。日本の家電業界が苦戦しているのは、デジタル化の遅れだと感じる。ハードウェアは立派に、丁寧に、小さく薄く、故障しにくくという開発はお家芸だがデジタル化が足りないのではないか。ソフトとハードを融合し、クラウドと連携し、ビッグデータを活用する。そういう意味で日本の最先端企業と呼ばれた企業が、もっと積極的にデジタル化をはかっていかなくてはならないと思う」と、日本企業が世界進出すること、最新技術への対応を行うことを促した。