Cypress、iPhone/iPad/iPod向けオーディオアクセサリ用開発キットを発表

Cypress Semiconductorは7月17日(米国時間)、AppleのiPhone/iPad/iPod向けデジタルオーディオアクセサリ用開発キット「CY8CKIT-033A PSoC 3 MFi Digital Audio Development Kit for Lightning」を発表した。

同製品は、ライセンス不要のリファレンスハードウェアやファームウェア、iOSアプリケーションソフトウェアが含まれており、iPhone 5やiPad miniなどの最新Apple製品で採用されているLightningコネクタに完全に対応したフルデジタルのMFi(Made for iPod/iPhone/iPad)デジタルオーディオアクセサリが開発できる。MFiプログラムのライセンスを取得していれば、スピーカドックやヘッドフォン、ゲームコントローラ、キーボードやミキサーといった消費者向けのオーディオ製品を短期間で設計できるようになる。

消費者およびプロフェッショナル向けのオーディオ市場では高音質が求められるが、オーディオ品質をアナログからデジタルへと向上させるLightningコネクタの登場によって、このトレンドは加速している。また、Apple製品およびソフトウェアのリリースに合わせて、極めて速いペースで設計を進めることが求められている中、同社のリファレンスデザインは、PSoC 3とAppleデバイスをすぐに接続できるため、製品開発の構想段階から数か月のうちに量産段階に入ることが可能になる。

なお、同キットは、Apple製Lightningコネクタおよび30ピンDockコネクタの両方に対応し、同社のUSB audio clock synchronization and recovery schemeにも対応している。さらに、PSoC 3により、外部コンポーネント数を最小限に抑えながら、複数のサンプリング速度(24bitオーディオまでの標準的なインターバルで、サンプリング周波数48/96kHz)において、高音質が実現される。

「CY8CKIT-033A」は、AppleのGarageBandなどの任意のCore AudioまたはCore MIDI(Musical Instrument Digital Interface)対応iOSアプリケーションや、PandoraおよびSpotifyなどの音楽ストリーミングアプリケーションと連携する。同キットには同社のサンプルiOSアプリケーションであるEA Consoleが付属されており、Appleデバイスに接続されたアプリケーションおよびアクセサリとの間の双方向通信を可能にし、AppleのExternal Accessoryフレームワークを利用した開発を速やかに開始することができる。例えば、EA Consoleを利用して、Appleデバイスから接続済みアクセサリに対してファームウェアのアップグレードを実行できる。PSoC 3 MFi Digital Audioソリューションには、同社のCapSenseソリューションが搭載されており、静電容量タッチセンシングボタンやスライダ、近接センシングの実装も可能で、最終製品のユーザインタフェースや視覚的な美しさを向上させることができる。

なお、同キットは、AppleのMFiコンポーネント指定販売店を通じて、同社のMFiプログラムのライセンス(199ドル)を取得している場合に利用可能となっている。