国立新美術館、東京新聞、NHK、NHKプロモーションは、色彩豊かな絵画を表現したスーラ、ゴッホ、モンドリアンなどの作品を紹介する展覧会「印象派を超えて―点描の画家たち」を開催する。開催期間は10月4日~12月23日(火曜休館)、開館時間は10:00~18:00(金曜は20:00まで、入場は閉館の30分前まで)。会場は六本木の国立新美術館 企画展示室1E。入場料は一般1,500円、大学生1,200円、高校生800円、中学生以下は無料。

フィンセント・ファン・ゴッホ《種まく人》1888年 油彩/カンヴァス64.2×80.3cm クレラー=ミュラー美術館 (C)Collection Kroller-Muller Museum,Otterlo,the Netherlands

ジョルジュ・スーラ《グラヴリーヌの水路、海を臨む》1890年 油彩/カンヴァス73.5×92.3cm クレラー=ミュラー美術館 (C)Collection Kroller-Muller Museum,Otterlo,the Netherlands

同展は、ジョルジュ・スーラやファン・ゴッホ、ピート・モンドリアンらを中心とした、フランス、オランダ、ベルギーの画家たちによる"色彩の探求"を検証するもので、油彩画、水彩画、素描など約90点の作品を紹介する。19世紀末から20世紀前半のヨーロッパ絵画において、「色彩」はひとつの表現として自立していくが、とりわけその鮮やかさを重視した印象派の画家たちが採用したのが「筆触分割」という技法だ。

また、新印象派の代表的な画家であるスーラは、「筆触分割」の感覚的な技法に飽きたらず、科学的な知識をもとに独自の「点描技法」を開拓し、抽象絵画の創設に大きく貢献した。その影響を受けたゴッホは、新印象派の技法に大きな着想を得て色彩を探求。モンドリアンは後年、分割主義の究極の帰結として、色面の調和とバランスを普遍的な絵画原理とみなした。

ポール・シニャック《ダイニングルーム、音楽作品152》1886-1887年 油彩/カンヴァス89.5×116.5cm クレラー=ミュラー美術館 (C)Collection Kroller-Muller Museum,Otterlo,the Netherlands

ピート・モンドリアン《赤と黄と青のあるコンポジション》1927年 油彩/カンヴァス40.0×52.0cm クレラー=ミュラー美術館 (C)Collection Kroller-Muller Museum,Otterlo,the Netherlands

なお、今回の企画はオランダのクレラー=ミュラー美術館の特別協力のもとに実現するものだが、同館はスーラ、ピカソ、モンドリアン、ブランクーシなど近現代美術の作品を数多く所蔵しており、特に269点を数えるゴッホのコレクションで知られている。設立者のヘレーネ・クレラー=ミュラーは、作品そのものから受ける美的感情を重視して作品を収集し、それが世界有数の"分割主義"のコレクションを形成することになったと言われている。

ちなみに、同展は広島と愛知にも巡回することが決定しており、2014年1月2日~2月16日に広島県立美術館で、2014年2月25日~4月6日には愛知県美術館で開催される。