ヤフーは、同社の運営するYahoo! JAPANでの匿名化された検索・広告・ショッピング・地域情報・ソーシャル上のトレンド情報といった膨大なデータを分析する「Yahoo! JAPANビッグデータレポート」で、第23回参議院選挙の結果予測第三弾を公開した。

第三弾では、予測に使用する「Yahoo!検索」データの集計期間を直近のものに差し替え、同じ分析手法を用いて予測を行なっている。データの集計期間は下記の通り。

  • 第一弾:2013年5月28日~6月21日
  • 第二弾:2013年6月16日~7月3日(6月23日~6月28日は都議会選の影響が見られたため除外)
  • 第三弾:2013年7月4日~7月16日

第一弾から第三弾まで与党が過半数の議席獲得という予測は変わっていないが、第三弾では「相関モデル」において自民党の獲得議席予想数が伸びている。第一弾、第二弾で見られた「相関モデル」と「投影モデル」それぞれの予測結果の差が縮まり、最終的に両モデルともに似たような結果となっている。

なお、予測方法の相関モデルは、前回の衆議院選挙レポートの結果をもとに各政党ごとの得票への繋がりやすさを補正した上で、特定期間における検索量から得票数を推定したもの。一方の、投影モデルは過去の選挙事例をもとに、公示日前後における検索量の変化を増加率としてスコア化し、今回の公示前の検索数を用いて得票数の推定したものとなっている。

二種類の予測方法

ヤフーによる比例区の最終予測結果では、第二弾までは相関モデルと投影モデルの獲得議席予想に差があったが、公示日以降のデータを用いて予測を行った第三弾では両モデルとも非常に近い結果となっている。自民党はどちらも19議席の獲得、公明党はどちらも5議席、自公あわせて24議席というのが最終予測だという。民主党は7議席か8議席、維新はどちらも6議席となっている。

比例区の最終予測結果

一方、選挙区の最終予測結果では、投影モデルの予測をこれまでの「公示日前後における検索量の変化をスコア化し、公示前の検索数を用いて得票数の推定」から、第三弾では「公示日後から特定期間までの検索量の変化をスコア化し、今回のデータ集計期間の検索数から得票数を推定」に変更している。

その結果、比例区の予測と同様に、相関モデルと投影モデルの獲得議席数が非常に近い値となり、73議席の内訳ではどちらも自民党が48議席、公明党が4議席、民主党が13議席という同じ予測結果となっている。

選挙区の最終予測結果(相関モデル)

選挙区の最終予測結果(投影モデル)

都道府県別で見ると、京都府が相関モデルでは自民党が1位、投影モデルでは共産党が1位になるなど異なる結果も出ている。また、東京都は4位までは両モデルとも同じ結果だが、5位が相関モデルでは維新の会、投影モデルではみんなの党という予測に。このほか、選挙区での議席を失っている共産党は東京・大阪・京都で議席を獲得という予測。

同社の分析においては、PCやネットサービスが高齢者層に浸透しているわけではないため、分析に偏りが出るのではないかといった指摘もある。同社も「実際の結果とどう結びつくのか我々も非常に注目しています」とコメントしている。

Yahoo! JAPANビッグデータレポート第三弾による、比例区と選挙区の合計獲得議席予測