データサイエンティスト協会は16日、データサイエンティスト(分析人材)を支援する団体とした「データサイエンティスト協会」を発足し、本日から活動を開始すると発表した。

左から、データサイエンティスト協会 事務局長 宍倉剛氏、データサイエンティスト協会 代表理事 草野隆史氏、データサイエンティスト協会 顧問 樋口知之氏

データサイエンティスト協会 代表理事 草野隆史氏によると、センサーの発達やネットサービスの普及により、収集・蓄積が可能なデータの種類と量が増えており、これらのビッグデータから、ビジネスに活用する知見を引き出すデータサイエンティストと呼ばれる人財に注目が集まっているとコメント。この流れを受けて、企業では当該人材の獲得・育成に力を入れようとする動きがあるが、データサイエンティストには明確な定義がないため、人材の役割とスキルセットのミスマッチにより、データ分析から想定した成果が得られないといった課題が生まれているという。

協会設立の背景

同協会はそういった問題意識の元、新しい職種である「データサイエンティスト」に必要となるスキル・知識を定義し、育成のカリキュラム作成、評価制度の構築など、高度IT人材の育成と業界の健全な発展への貢献、啓蒙活動を行う。また、所属を超えてデータ分析に関わる人材が開かれた環境で交流や議論をし、自由に情報共有や意見発信ができる場を提供していく。

協会の概要とイメージ

協会の活動と今後のロードマップとしては、 2014年3月までにデータサイエンティストに関する人材像・スキルの定義や、上位者の指示の下、要求された作業を担当できるレベルである「エントリレベル」のカリキュラムの策定。また、研究成果の公開や、データサイエンティスト同士の交流、意見集約を行う場としてのシンポジウム等の開催を計画。

2015年3月までに、タスクを独力で遂行可能で応用や指導も可能なレベルである「ミドルレベル」のカリキュラムの提供開始や、スキル標準と他関連資格との連携マップの作成を計画している。

ロードマップ

また草野氏は、組織の運営に関して「ごく一部の企業から合意を受けて組織を発足するというより、今日の発表を持って協会を知っていただき、そこから関心を持っていただける方に組織運営の適切な任をお願いしたい」と言及した。

組織図など