日本オラクルは16日、同社の中堅企業向けERP製品「JD Edwards EnterpriseOne」のインメモリー・アプリケーションの提供を開始した。オラクルのエンジニアド・システムズを基盤とすることで、データのリアルタイム処理を実現し、受注売上・利益の向上やプロジェクト管理を支援するという。

同製品は、複雑な価格情報や顧客の過去の受注情報、複数のプロジェクトにわたる予算・実績・予測情報などの大量データをリアルタイムに高速処理し、企業の売上・利益の向上やプロジェクト管理などを支援する業務アプリケーションである。

オラクルのデータベースマシン「Oracle Exadata」とアプリケーション高速実行基盤「Oracle Exalogic Elastic Cloud」をプラットフォームとすることで、従来バッチ処理などで行っていたデータの集計・分析処理の高速化を実現するという。

同アプリケーションは、「JD Edwards EnterpriseOne In-Memory Sales Advisor」と「JD Edwards EnterpriseOne In-Memory Project Portfolio Management」の2種類から構成される。

「JD Edwards EnterpriseOne In-Memory Sales Advisor」は、受注情報、利益率、取引量に応じた製品単価などの情報を即時に提供し、既存顧客に上位製品やサービスを勧める販売を支援するものだ。取引数量別単価の推奨情報、受注全体や個別受注単位の利益率などを提供し、顧客の過去の受注情報をもとに利益率の平均や推移をグラフ形式で表示する。

「JD Edwards EnterpriseOne In-Memory Project Portfolio Management」は、企業のプロジェクトマネージャーや意思決定者に対し、プロジェクトのコストや利益などの財務状況を迅速に把握するための案件情報を提供する。企業が取り組むすべてのプロジェクト情報の一元的な集計と分析を実現し、契約や請求とプロジェクト情報を連携することでプロジェクトごとに財務状況を把握できるようになる。プロジェクトの地域・営業担当・種類別の要約を提供するほか、プロジェクトの詳細情報へアクセスできることで迅速な問題解決を支援する。