富士通は7月11日、UNIXサーバ「SPARC M10」とオラクルの「Oracle Database 11g」を活用し、オラクルデータベース基盤の統合を行い、9月より稼働を開始すると発表した。これをリファレンスモデルとして大規模データベースの統合に関するノウハウを蓄積し、同社のユーザー企業へ提案していきたいとしている。

富士通では、これまで生産管理・購買・物流・総務などさまざまな部門ごとにデータベースサーバを導入してきた結果、新旧含めた複数バージョンのデータベースが混在し、サーバが乱立する状況となった。そのため、バックアップや災害対策にかかるコストが高額になるばかりでなく、運用管理におけるサービスレベルがまちまちになるという課題を抱えていた。

同社は、東日本大震災をきっかけとしてデータベース基盤を統合する検討を進めており、今回、全社で利用可能な基盤の構築を開始するに至った。

これまでオラクルDBを用いていた基盤は「Oracle Database 11g」に統一、基盤プラットフォームは社内のデータベース利用状況に合わせてUNIXサーバ基盤とPCサーバ基盤に分割し、統合を実行する。このうち、UNIXサーバ基盤には「SPARC M10」を選択した。多様なシステムの集約を実施するため、柔軟性と集約性、移行の容易さを重視したという。

なおPCサーバ基盤には、オラクルのデータベースマシン「Oracle Exadata」を採用した。

これらの基盤は、本番環境とディザスタリカバリ環境兼開発環境を分けて遠隔地に設置、データの同期は「Oracle Data Guard」で実施し、万が一のトラブルへの対策と運用レベルの統一・向上を図る。

富士通オラクルデータベース統合のイメージ