日本ヒューレット・パッカードは7月9日、運用自動化ソリューション3製品を発表した。発表されたのは、サーバ自動化ツール「HP Server Automation 10」、ITプロセス自動化ツール「HP Operations Orchestration 10」、ハイブリッドクラウド管理ツール「HP Cloud Service Automation 3.2」の3製品。HP Operations Orchestration 10が8月1日から、その他の製品が同日から販売開始される。

発表会には、米Hewlett Packard、HP SoftwareのCTOを務めるJerome Labat氏が登壇。各製品の概要を紹介した。

Server Automation 10、仮想アプライアンス版を提供

米Hewlett Packard、HP Software CTOのJerome Labat氏

HP Server Automationは、OSのセットアップ機能、サーバの管理機能、コンプライアンス対応機能などを備えるサーバ自動化ソリューション。サーバ管理では、複数サーバへのパッチ適用機能、作業ログの保存機能、構成情報の収集機能などを備え、コンプライアンス対応では、ポリシーに違反した際に設定情報等を修復する機能などを有する。

今回発表された新版では、新たに「HP Server Automation Virtual Appliance」(SAVA)が追加された。SAVAはESXiベースの仮想アプライアンスで、セットアップを1時間以内に終えられるなどの特徴がある。1OSインスタンスあたり12万8000円と低価格で提供され、「ミッドレンジでも採用でき、これまで以上に幅広いユースケースで採用してもらえる」(Labat氏)という。

なお、これまで提供されてきたEnterprise版とは異なり、管理対象はWindowsとLinuxのみで、約3000サーバが上限。内蔵DBは、Enterprise版がOracle DBなのに対し、SAVAはPostgreSQLを採用している。

Operations Orchestration 10、テンプレート増強/価格変更

日本ヒューレット・パッカード 常務執行役員 HP ソフトウェア事業統括の中川いち朗氏

HP Operations Orchestrationは、システム管理者が行うタスク/プロセスを、事前に定義されたワークフロー に従って自動実行する製品。ワークフローのオーサリング/設計支援ツール「OO Studio」、ワークフローの実行/管理エンジン「OO Central」、運用自動化のテンプレート機能「OO Content(Processes Automation Library)」の3つのコンポーネントによって構成されている。

新版では、OO Contentによって提供されるテンプレートを拡充。Amazon EC2、OpenStack、vCloud Director、 Hyper-V、KVMなどに対応し、従来の4000から5000以上に増加させた。さらに価格も変更し、1OSライセンスあたり6万4000円へと値下げしている。

Cloud Service Automation、リソース消費量に応じたチャージバックが可能

HP Cloud Service Automationは、ハイブリッドクラウド環境を統合管理するためのソリューション。Amazon EC2、OpenStackなどに対応し、複数のクラウド環境を使用状況や障害状況を一元的に監視できるほか、実装/利用/返却というライフサイクルをまとめて管理することも可能。セルフサービスポータル機能も備え、ユーザー自身が必要なときに必要なサービスを立ち上げることができる。

新版では、HP Asset Manager Softwareとの連携が可能になり、クラウドリソースの消費量に応じて、部署やユーザーにチャージバックする機能が追加されている。