Xen - hypervisor, the powerful open source industry standard for virtualization.

Xenプロジェクトは7月9日(米国時間)、Xenの最新版となる「Xen 4.3.0」を公開した。9ヶ月を超える開発期間を経てのリリースであり、成果物はGPLv2のもとで公開されている。

「Xen 4.3.0」でもっとも注目されるのはARMのサポートが実験的に追加された点にある。サポート対象は32ビット版がARMv7 Fast Model、Cortex A15 Versatile Expressプラットフォーム、Arndaleボードとされている。64ビット版のハードウェアはまだ提供がはじまっていないが、ARMから提供されているAEMv8リアルタイムシステムモデルを使って動作が確認されているという。

それ以外で注目されるのは、NUMAを意識したスケジューリング機能が実装された点と、Open vSwitchのサポートが追加されたこと、使用しているQEMUのコードを古いコードから新しいQEMUのコードへ更新したことなど。従来のバージョンよりも性能を発揮しやすい作りになっている。

組み込みデバイスでの採用が主流のARMだが、消費電力が少ないことからサーバハードウェアのプロセッサとしての開発が進んでおり、今後ARMを搭載したラックマウントタイプのサーバが登場すると見られている。XenのARM対応にはこうした状況に応える狙いがある。