BBソフトサービスは7月9日、クラウド型メールセキュリティー製品「Zenlok」を提供するZenlok社とのライセンス許諾および販売店契約に加え、BBソフトサービスが総販売代理店として「Zenlokプレミアム」サービスシステムの拡張と安定運用、サポート体制を拡充するといった戦略的事業提携を結んだことを発表した。
Zenlokプレミアムは、Microsoft Office 365やGoogle Apps for Businessといったメールサービスに、セキュアなファイル暗号化機能やメールアーカイブ機能を低価格で追加することができるクラウド型メールセキュリティーサービス。メールアーカイブや添付ファイルの暗号化送信、誤送信対策、2GBまで対応する大容量データ送信が主要機能として挙げられている。
主要機能のひとつ添付ファイルの暗号化の画面例。送信側(左)と受信側(右)、利用者が特別な操作をしなくても、自動的に暗号化されるようになっている。ファイル受信は、ダウンロードリンク形式とZIP形式を管理画面で設定できる |
Zenlokプレミアムの特長のひとつに、公開鍵暗号方式を採用したセキュリテインフラ(PKI)を採用している点が挙げられる。一般的に公開鍵と対をなす秘密鍵がないと暗号化されたデータを復元することができないため、高いセキュリティーが実現可能だが、一方で、鍵の受け渡しや鍵管理といった手間も発生する。Zenlokプレミアムでは鍵管理などを独自技術で自動化しており、利用者にとってはこれらの操作をほとんど意識することなく利用できるという。
また、コンプライアンスや内部統制、機密保持といった面からもメールアーカイブやセキュリテの重要性が高まっており、Zenlokプレミアムはこのようなニーズにも対応可能となっている。
BBソフトサービス 取締役 COO |
BBソフトサービス 取締役 COOの瀧 進太郎氏は、今回の提携について「Zenlokを売っていくのに一番いい時期」だとする。
その背景を、同氏は「BYODなど法人(企業内個人)と個人の差が消えつつある現在では、ユーザーがもっとも使っていてもし止まったら困るというサービスのひとつがメール。個人情報や契約内容などやり取りされる情報が、漏洩したり改ざんされたり盗まれたりしたら法人や個人にとって非常に脅威となる。これらに対応するためにセキュアな環境が必要であり、それを実現するのがZenlok」だとした上で、「重要なデータをきちんと保管し、コンプライアンスの面で管理していくのが重要となっている。米国では(SOX法など)法令でのメールアーカイブが必須となっており、私見だが、日本においても今後、全体的に義務化されるのではないかと思っている。そのような環境をきちんと守って企業の活動を安全にしてくれるサービスであるZenlokを、今この時に拡販すべきだと確信し、提携を判断した」と、事業への期待を語る。
今回の戦略的提携では、これまでの体制を刷新。これまでBBソフトサービスは営業面を担っていたが、2013年8月以降は、データセンターの管理やSLA保証、カスタマーサポートを行うなど、より踏み込んだ内容へと移行する。このことからも、BBソフトサービスの"本気度"がうかがえるといえるだろう。
なお、Zenlokプレミアムの価格は、基本的にMicrosoft Office 365やGoogle Apps for Businessと同ID数の契約で1IDあたり年間3600円。さらに、退職者用のメールアーカイブを1IDあたり年間1200円で提供するほか、メールのアーカイブ機能に特化した新サービス「Zenlokアーカイブ」を1IDあたり年間2400円(価格はいずれも税抜)で7月23日から申し込みを受け付ける予定になっている。