NECは3日、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量を算定・報告するための国際基準「Scope3 スタンダード」にのっとって、調達から生産、廃棄にわたるサプライチェーン全体でのCO2排出量の集計を2012年度実績分について行い、その結果を公表した。また、あわせて、NECグループ環境経営行動計画2017/2030の進捗についても報告した。
従来は「炭素統計」として自社のエネルギー使用や物流、紙の使用、従業員の出張によるCO2排出量や、ITソリューションの提供によるCO2削減貢献量について独自に集計・公表していた。今回、サプライチェーン全体でのCO2排出量のさらなる削減を推進する目的で、NECとして初めて2012年度実績分について「Scope3 スタンダード」に従った集計を実施。
集計の結果、サプライチェーン全体でのCO2排出量(計814万トン)のうち94%がScope3に相当し、NECが販売した製品の使用段階での排出が全体の60%と最も多いことが確認できたとしている。そのことから、製品の使用段階での排出量削減に向け、製品のエネルギー効率を高め、サプライチェーン全体でのCO2排出量の削減に向けて努力するとしている。
環境経営行動計画については、ITソリューションを活用したCO2削減や製品のエネルギー効率の改善を図り、低炭素:製品のエネルギー効率の改善については、2012年度の目標65%に対して、実績が64%と報告。「当初の計画に対して、おおむね予定通りに推移している」と担当者はコメント。
また、ソフト・サービス系を中心に約2,100社のサプライヤーに対して、Scope3に関する説明会を全国で実施。具体的には、サプライチェーン全体でのCO2削減方針やデータ制度向上に向けたデータ提出の要望といった内容。
また、玉川事業場のスマートコミニティ化やスマートシティサービス実証モデルの構築に関しても紹介。統合オペレーションセンターによる負荷監視・制御や、センサ技術を活用した省エネ型オフィス環境といったITとネットワーク技術を活用したサービスを2014年度までに構築するとしている。
Scope3の集計結果の詳細と「NECグループ環境経営行動計画2017/2030」の2012年度進捗の詳細については、「NEC環境アニュアルレポート2013」を参照してほしい。