横浜美術館、朝日新聞社、テレビ朝日、BS朝日、プーシキン美術館、ロシア連邦文化省は、モスクワのプーシキン美術館が所蔵するフランス絵画の展覧会「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」を開催する。開催期間は7月6日~9月16日(8月1日、15日を除く木曜は休館)、開場時間は10:00~18:00(8月、9月の金曜は20:00まで開館、入場は閉館の30分前まで)。入場料は一般1,500円、大学・高校生1,200円、中学生600円、小学生以下は無料。

ピエール=オーギュスト・ルノワール「ジャンヌ・サマリーの肖像」(1877年) 油彩、カンヴァス 56×47cm (C)The State Pushkin Museum of Fine Arts, Moscow

フランソワ・ブーシェ「ユピテルとカリスト」(1744年) 油彩、カンヴァス 98×72cm (C)The State Pushkin Museum of Fine Arts, Moscow

フィンセント・ファン・ゴッホ「医師レーの肖像」(1889年) 油彩、カンヴァス 64×53cm (C)The State Pushkin Museum of Fine Arts, Moscow

同展は、プーシキン美術館のコレクションの中核をなすフランス絵画の中から66点を紹介し、フランス絵画の300年の栄光の歴史をたどるというものだ。17世紀古典主義の巨匠プッサンにはじまり、18世紀ロココの代表ブーシェ、19世紀のアングル、ドラクロワ、ミレー、印象派やポスト印象派のモネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホ、そして20世紀のピカソやマティスまでの名作が並ぶ。なかでも、ルノワールの印象派時代最高の肖像画と評される「ジャンヌ・サマリーの肖像」は、同展の見どころのひとつとなっている。

また、ロシアが充実したフランス絵画コレクションを有するのは、エカテリーナ2世らロマノフ王朝の歴代皇帝や貴族、19世紀の産業発展で財をなしたモスクワの大富豪たちが、当時のヨーロッパ先進国であるフランスへの強い憧れと、自国の文化を豊かにしようという思いから、膨大な資金を投じて美術品の収集を行ったからである。

ニコラ・プッサン「アモリびとを打ち破るヨシュア」(1624~25年頃) 油彩、カンヴァス 96×134cm (C)The State Pushkin Museum of Fine Arts, Moscow

クロード・モネ「陽だまりのライラック」(1872~73年) 油彩、カンヴァス 50×65cm (C)The State Pushkin Museum of Fine Arts, Moscow

なお、プーシキン美術館はロシアの首都モスクワにある国立美術館。サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館とならんで、世界的な西洋絵画コレクションを誇る。67万点を超す収蔵作品は、古代エジプトから近代にいたるヨーロッパ美術の流れを幅広く概観できるその多様性が特徴だ。特に今回紹介されるフランス近代絵画のコレクションは、極めて高い水準を誇っている。ちなみに、同展は神戸にも巡回することが決定しており、会期は9月28日~12月8日、会場は神戸市立博物館。