森下仁丹は7月3日、独自の機能性食品素材である「ザクロエキス」が有する「抗糖化作用」や「長寿遺伝子活性化作用」に関する研究において、それぞれの作用を示す成分を新たに同定・発見したことを発表した。

同成果は同社と岡山大学の伊東秀之 准教授、九州大学の片倉喜範 准教授らによるもの。詳細については、「第13回 日本抗加齢医学会総会」にて発表された。

同社は、これまでのザクロに対する研究から、タンパク質の糖による変性を抑制する抗糖化作用、ビフィズス菌の生存を維持させるプレバイオ作用、抗アレルギー作用、長寿遺伝子として知られるサーチュイン遺伝子活性化作用などを報告してきた。

今回の研究では、岡山大学との共同研究から、ザクロ果汁から糖分を除去し、ポリフェノール成分を濃縮して作製したザクロエキスにおいて、タンパク質とブドウ糖による糖化反応の結果作られる最終糖化産物(AGEs)の生成を強力に抑制することを確認。この活性成分の調査を行ったところ、ザクロ特有のポリフェノール成分(プニカリン、プニカラジン)に加え、エラジタンニンという種類のポリフェノールがいくつも連なった成分(ポメグラニインA、ポメグラニインB)の抗糖化活性も強いことを発見したという。

ザクロ(Punica granatum L.)含有成分によるタンパク質とブドウ糖による糖化反応の結果作られる最終糖化産物(AGEs)を阻害する割合

一方、九州大学との長寿遺伝子活性化作用に関連した研究では、ザクロエキスやその含有成分をヒトの腸管を模した細胞に作用させたとき、細胞中の長寿遺伝子(SIRT1)がどのように変化するかの調査を実施。その結果、ザクロエキスに含まれるプニカリン、プニカラジンが、SIRT1遺伝子の増強効果を示すことを確認したほか、これらの成分を作用させた細胞中のSIRT1遺伝子の量が増えていること、その活性の強さが長寿遺伝子活性化成分として知られるレスベラトロールと同等以上であることを確認したという。

ザクロエキスの含有成分による細胞中の長寿遺伝子(SIRT1)への影響

なお同社では、確かなエビデンスのもと、安心で安全な商品を利用してもらえるよう安全性・信頼性の向上を図り、広く健康増進に寄与していきたいとコメントしている。