デルは、サーバ、ネットワーク、ストレージ、管理ソフトウェアなどのITコンポーネントを組み合わせ、検証済み環境として1つのソリューションとして提供するコンバージドインフラストラクチャ製品として、「Dell Active Infrastructure」を7月2日から販売を開始した。出荷は8月2日からとなる。

「Dell Active Infrastructure」は、昨年11月に米Dellが買収したインフラ自動化ソフトプロバイダ米のGale Technologies製品を組み込み、コンバージドインフラストラクチャとして提供するもの。主にデータセンター向けのソリューションだ。ユーザーはこのソリューションを利用することで、設計、検証、テストにかかる時間を削減できる。

「Dell Active Infrastructure」は、IaaS環境を構築するための管理マネージャ「Active System Manager」、構築されたIaaS環境上でITサービスを構築するためのソリューション「Active Solutions」、サーバ、ストレージ、ネットワークなどの実際のハードウェアを提供する「Active System」での3つで構成されている。

「Dell Active Infrastructure」の構成要素

Active Solutionsは、エンタープライズアプリケーション、仮想デスクトップ、プライベートクラウドなどの展開を自動化するソリューション。事前検証済みのテンプレートが提供されるため、ユーザーは短期間でシステム構築が可能だ。

対応ソリューションは、Microsoft Lync 10、Microsoft UC&C 13、Microsoft Exchange 10、Microsoft Sharepoint 10、Microsoft SQL Server 12、、Citrix XenDesktop VDI、VMware VDI、Microsoft VDI、Microsoft Fast Track 2.0/3.0。

Active System Managerは、2012年11月に米Dellが買収したGale TechnologiesのIPを統合し、インフラ管理を自動化する。「Active System」などで構成されたハードウェアプールから、容易にIaaS環境を構築できる。ハードウェアプールには、「Active System」以外のデルのハードウェアのほか、サードパーティ製のハードウェアもサポートする。

構築にあたっては、ロードバランスを考慮しながら構築でき、F5ネットワークスのロードバランサーにも対応。複数のデータセンターにまたがったインフラの管理も可能だという。

Active System Managerはテンプレートベースのプロビジョニングが可能で、データセンター事業者はエンドユーザー自身による構築、「セルフサービス」型パッケージとしても提供できる。

Active Systemsは、サーバ、ストレージ、ネットワークを事前に統合し、動作検証済みで工場から出荷される。仮想ソフトウェアはVMware ESXまたはMicrosoft Hyper-Vから選択できる。

今回デルでは、小規模から大規模まで4モデルをラインナップしている。

Active System

Active System 50は、基本的なアプリケーションのニーズに対応するラックサーバベースの小規模システムで、仮想環境の採用を始めた中堅・中小企業やデータセンター並みのインフラを必要とする小規模ITプロジェクトに最適なシステム。最小構成は、PowerEdge R620×2、EqualLogic PS6110X×1、PowerConnect 7024×4で、価格は895万円~。

Active System 200は、一般的なアプリケーションのニーズに対応する中規模システムで、小規模プライベートクラウドや仮想デスクトップ、Microsoft SQL、Exchange、Lync、SharePointなどの複雑なアプリケーション向けに設計されている。

最小構成は、PowerEdge R720×3、PowerEdge R620×2、EqualLogic PS6110X×2、Force10 S4810×2、Active System Managerライセンス×10台分で、1,988万円~。

Active System 800は、基幹系アプリケーションのニーズに対応するスケーラブルなエンタープライズ向けシステムで、プライベートクラウドおよび仮想デスクトップ、Microsoft SQL、Exchange、Lync、SharePointアプリケーションの大規模デプロイメントに最適だという。

最小構成は、M1000e エンクロージャ×1台、PowerEdge M620×8、PowerEdge R620×2、EqualLogic PS6110X×2、Force10 S4810×2、Force10 S55×1で、価格は個別見積もり。

Active System 1000は、スケーラブルなブレードサーバベースの大企業向けシステムで高度なファイバーチャネルストレージを備え、大規模プライベートクラウド、先端的なデータベースやVDIなどのミッションクリティカルなアプリケーションに最適なプラットフォーム。

最小構成は、M1000e エンクロージャ×1、PowerEdge M620×8、PowerEdge R620×2、Compellent SC8000×2、Force10 S4810×2、Force10 S55×1、Brocade 6510×2で、価格は個別見積もり。

Active Systemのラインナップ

デル 執行役員 エンタープライズ・ソリューション統括本部長 町田栄作氏

デル 執行役員 エンタープライズ・ソリューション統括本部長 町田栄作氏は、「スケールアップやスケールアウトはベンダーロックインとなり、運用や管理が複雑になってしまう。そのため、TCOが思うように下がらない。我々は標準をサポートし、オープン化し、自動化していく。他社は統合インフラをコンバージドインフラストラクチャと呼ぶが、我々はアクティブスケールと呼ぶ」と述べた。

デルが提唱するアクティブスケール

米Dell Dell Converged Solutions エグゼクティブ・ディレクター のナリマン・テイモウリアン氏

また、元Gale TechnologiesのCEOで、米Dell Dell Converged Solutions エグゼクティブ・ディレクター のナリマン・テイモウリアン(NarimanTeymourian)氏は、「これまでのデータセンターはインフラ中心のデータセンターだったが、デルはITサービス中心のサービスプロバイダになりたいと思っている」と語り、Dell Active Infrastructureの特徴として、管理を一元化できる点、他社のハードウェアもサポートできる点、テンプレートを実装している点の3つを挙げた。

Dell Active Infrastructureの価値