犬とマネジメント、と言われてもピンとこないかもしれない。しかし、GrowBiz MediaのCEOであるRieva Lesonsky氏によると部下のマネジメントは犬のしつけから学ぶことが多いという。
Lesonsky氏が見いだした共通点とはなんだろうか。OpenForumの記事「賢い上司は、部下を犬のようにしつける(原題:Why Smart Bosses Treat Their Employees Like Dogs)」を見てみよう。
Lesonsky氏によると、マネジメントに応用できるペットのしつけとは以下のようなことだ。
1.態度に一貫性を持つ
「おすわり」「おて」やトイレなど、犬をしつけるトレーナーは毎回同じ動作をとる。ルールなしに態度が変わる状況は、不安定感や混乱を招きやすい。部下に対して、日によって(気分によって)指示が変わる、要求する量や方法が変わるといった行為は、改めた方がいいだろう。
2.モチベーションをうまく活用する
犬のモチベーションは食べ物。だから、「おすわり」ができたら、食べものを与える――ドッグトレーナーたちはこのように、モチベーションを利用している。これは組織の中でも使える。ただ人間の場合はモチベーションは一人一人異なるので一様にはいかない。そこを探ることこそが、上司の役割だ。まずは、チームミーティングや全体会議などの機会を利用して、手柄をたてた部下やプロジェクトが成功したグループを褒めることから始めよう。できたことを言葉で認めることは基本だ。犬に対して「いい子、いい子」というように、部下もかわいがろう。
3.学ぶ時間を与える
上手なドッグトレーナーは、犬の脳の中で特定の振る舞いを絶対的なものにするために毎日訓練するのだそうだ。これを新入社員(あるいは、新しいことを学ぶ社員)に応用して、学ぶ機会を与えよう。すぐにできなくても待つ忍耐を持ちたい。何かのスキルや知識を獲得してもらうには、やってみることも大切だ。一方的にレクチャーする代わりに、やれることはやってもらおう。
4.間違いはその場で正す
もしミスがあれば、すぐに指摘すること。犬のしつけでは、犬が悪い行動をするとトレーナーはすぐに矯正を試みる。人間も同じ。後から言われるよりも、間違えたその場で何がよくなかったのかを伝えられる方が、指示がすんなり頭に入るだろう。ただ相手は人間、しかも大人。プライドがある。他人の前など、明らかにここで言われたくないような場所では慎むべき。
5.ポジティブに
飼い主は自分の機嫌が悪いときは犬のトレーニングをしない方がよいそうだ。犬が敏感に気分を察するためだ。部下を率いる立場にあるなら、部下のやる気を出すこと、インスピレーションを引き出すことを心がけよう。間違ってもやる気をなくしたり、おどおどするような関係にならないように。