Dassault Systemsは、同社の最新の3Dソフトウェア技術を活用して開発された「Flying Bike(空飛ぶ自転車)」が6月12日にチェコのプラハにて人型模型を乗せて約5分間の飛行に成功したと発表した。
同プロジェクトは同社のパートナーで、3Dエクスペリエンス・プラットフォームのプロバイダであるTechnodatのAles Kobylik氏をリーダーとして、Technodatのほか、自動車メーカーのDuratec、技術会社のEvektorの3社によるプロジェクトチームが1年半をかけて行ってきたもの。
Dassaultの3Dエクスペリエンス・プラットフォームを活用することで、プロジェクト参加者は場所の制約を受けることなく、さまざまな場所からプロジェクトに参加することができ、効率よく仮想空間上で自転車の設計、製造、シミュレーションを行うことができたという。
それぞれの役割としては、Technodatが、プロジェクトの管理、運営(予算、スケジュールを含む)を担当し、Duratecが、フレーム、翼の保護カバーや標準的な自転車のコンポーネントを提供、そしてEvektorが、コンセプトの設計、各機能の組み立て、構成、バッテリー、回転翼の選定を行った。
そうした取り組みの結果、6つの回転翼を持つ「マルチコプター」の原理が採用され、1年ほど前にバーチャル上でプロトタイプを公開し、2013年6月12日に、実際に飛行実験が行われたという。
今回開発された空飛ぶ自転車の仕様は以下の通り。
- 出力:54kW
- モーター:メインモーター(10kW)×4基 (縦方向の前後に対称に設置)
- スタビライザー:専用モーター×2基 (自転車の両側に設置)
- プロペラ:主翼(直径1200mm、最大回転数2200/分)、スタビライザー用プロペラ(直径650mm、コンポジットケースで保護)
- 電源:リチウムポリマーバッテリー(50Ah)
- 自転車のフレーム:溶接部に軽合金(ジュラルミン)を使用
- 自転車:市販のものを使用
- サイズ:長さ約3800mm×幅2500mm×高さ1200mm
- 重量:95kg
- 耐荷重:170kg
- 飛行時間:5分
- 稼働時間:30-50分
- 最高速度:50km/時
実際に空飛ぶ自転車が飛行している様子 |