応用編★Web施策やマーケティング全体から、ソーシャルメディア活用の意義を問い直せる書籍をピックアップしました!

こんにちは、SMM Labの大森です。 前回、マーケティング初級者の方にもマーケティング全体や、ソーシャルメディアのマーケティングにおける役割を理解しやすい書籍をご紹介しました。

今回は、そこから一歩進んで、ソーシャルメディア時代のWeb施策や、組織の在り方を考える5冊をご紹介します。これらを読めば、ソーシャルメディアをより有効にマーケティング活用するに当たって必要な周辺知識を補えるはずです。さらに、マーケターやWeb担当者以外の方にも、ビジネスにおけるソーシャルメディアの重要性を認識していただけると思います!

前回記事:【マーケター必読!】基礎から理解するために☆SMM Labのおすすめマーケティング本5選!
http://smmlab.aainc.co.jp/?p=20704

【1】斉藤徹 著『ソーシャルシフト』(日本経済新聞出版社)

ソーシャルメディアの台頭によって、「透明性」や「共感」が企業活動のキーワードになりつつある昨今。この本では、その「透明性」と「共感」の両者を備えた”ソーシャルメディア時代”の企業へとシフトするための術が書かれています。前回ご紹介した「グランズウェル戦略」をより実践に近い形で明らかにしているイメージを受けました。

具体的には、ソーシャルメディアがもたらした企業と生活者との新しいコミュニケーションのカタチ、すべての顧客接点で素晴らしいブランド体験を提供するための仕組み、またそれを実現するためのリーダーシップや組織の在り方と組織作りのためのステップを国内企業の事例なども交えながら詳細に解説。企業がソーシャルメディアをビジネス活用するにあたり、対生活者ばかりに目がいきがちですが、本著では対”社内”でソーシャル体制を構築していくことのメリットと方法について説明している点が興味深いです!

「未だに社内でソーシャルメディアのビジネス活用に懸念が上がる」とお悩みの方は、特に参考にしていただけると思います!

【2】トニー・シェイ著/本荘修二 監訳/豊田早苗、本荘修二 訳『顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか』(ダイヤモンド社)

【1】にも事例として話題が登場するアメリカのECサイト、ザッポス。当然ですがECサイトゆえ、顧客と企業が直接顔を合わせる機会はほとんどありません。それにも関わらず、感動的な顧客体験をした熱狂的ファンによるクチコミで評判が評判を呼び、成長を続けている企業です。(感動するほどの顧客サービスについては、数えきれないほどのエピソードがインターネット上で散見されているそう。)そんなザッポスの若きCEO、トニー・シェイのエッセイ的経営哲学書が本書。

生い立ちに始まり、オラクル社、マイクロソフト社在籍時の話から、ザッポスとの出会いとザッポスの成長――「サービスを通して『ワオ!』という驚きの体験を提供する」、この企業文化が生まれた背景を、プライベートでの遊びの中から得たヒントも挟みながら、詳細に書かれています。

ひとりひとりの顧客に真摯に向き合う姿勢がカギともいえるソーシャルメディア時代を生き抜くためのヒントがぎっしり詰まった1冊です!

【3】ブライアン・ハリガン、ダーメッシュ・シャア著/川北英貴 翻訳監修/前田健二 翻訳『インバウンドマーケティング』(すばる舎リンケージ)

自社から見込顧客にアプローチしていくアウトバウンド・マーケティングに対して、見込みを含む顧客の方から自社を”見つけてもらう”のが、タイトルにもなっている「インバウンド・マーケティング」です。本書では、自社Webサイトに外部リンクを誘因すること、そのために突き抜けたコンテンツをサイトに用意することをアプローチ法として提唱。

自社コンテンツ制作時のポイントから、見込客に見つけてもらうためのSEO対策、拡散に必須のソーシャルメディアとの連携についてまで、教科書的に詳しく解説されています!

大枚をはたいてマス広告で一方通行的な宣伝で終始してしまうことや、押し売りのような営業を行うのは、インターネットやソーシャルメディアによるクチコミが普及した現代にはあまりそぐわないのが実情。「与えよ、さらば与えられん!」をキーワードに、まずは顧客に有益な情報を提供し、自社に興味を持ってもらうことから始めることが新常識だと改めて認識できます。 BtoB企業のソーシャルメディア活用の手掛かりも得られると思いますよ!

【4】城田真琴 著『ビッグデータの衝撃――巨大なデータが戦略を決める』(東洋経済新報社)

Amazonでの買い物に代表される「あなたにおすすめの商品」「これを買った人はこんな商品も買っています」の表示。その裏にはこの「ビッグデータ」があることは、既にご存知の方も多いのではないでしょうか。

クラウド、ソーシャルに次ぐ3番目にしてWeb最大の潮流といわれるビッグデータとはそもそも何なのか、どんな技術によりこの膨大なデータが支えられているのかという基礎を理解できる導入部分。次に、ビッグデータの価値にいち早く気づき、活用して成功した先駆者たち(国内企業ではリクルート、グリーなど)の事例を紹介。それらを踏まえ終盤では、ビッグデータの活用パターンや、ビッグデータ時代を迎えるにあたって必要な備えを具体的に挙げています。

企業が手にする消費者・ユーザーデータの量が単に多くなった”衝撃”だけでなく、その膨大なデータの中からビジネス上有益な価値を見出し、いちはやくマーケティングに利活用することの重大性を思い知らされました!

【5】田中弦、佐藤康夫、杉原剛、有園雄一著『アトリビューション 広告効果の考え方を根底から覆す新手法』(インプレスジャパン)

「クリックされない広告には効果がない」これは果たして正しいでしょうか?本書はこの疑問を解消してくれる、アトリビューションの教科書的存在です!

チャプター1はアトリビューションという概念の詳しい説明、チャプター2では広告効果を分析するにあたり準備すべき要素が語られています。続くチャプター3「アトリビューション・モデリング」では、アトリビューション分析においてどこに重きを置くのか、典型パターンをいくつか紹介しています。最後のパートでは、アトリビューション分析を行うにあたって、Web広告全体をいかに管理するかを整理した「アトリビューション・マネジメント」を解説。アトリビューション分析を本気で始めるにあたって知っておきたいことがこの1冊で網羅できる印象です!

アトリビューション自体まだ新しい概念ですが、最後に付録として挿入されている「各業界担当者によるコラム」が、実践例を踏まえての話なので、これから分析に臨む方も参考にしていただけると思います。

以上、今回は、実務にすぐ活かせる、より実践的な内容に寄ったソーシャルメディアマーケティング関連書籍5冊をご紹介しました。

特に【2】~【5】は一見、ソーシャルメディアと直接関係がないようなタイトルですが、要所要所でソーシャルメディアを組み合わせたマーケティング施策の話が登場し、ソーシャルメディアマーケティングのヒントを得られる内容です!どの本も、“マーケティング×ソーシャルメディア”を一歩引いた大きな視点から見直すことができると思いますよ♪

是非、ご参考にしていただけたら嬉しいです!

<ライター紹介>

大森麗奈(Reina Omori)

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