東芝は、横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)において7月1日から行われる夏季の家庭部門でのデマンドレスポンス(DR)実証実験に参画すると発表した。ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)やスマートメーターを導入した、約1,900世帯が参加対象で、国内でのデマンドレスポンス実証実験では最大規模となる。
YSCPは、日本型スマートコミュニティの構築や海外展開を実現するための取組みとして、経済産業省が2010年4月に「次世代エネルギー・社会システム実証地域」に選定し、進められているプロジェクト。人口370万人の大規模都市である横浜市で、4,000世帯の家庭、計14のビル・マンション・工場、電気自動車2,000台、太陽光発電27MW分を対象に、広域でのエネルギー最適制御の実証を行うもの。
実施日数は7月1日から9月27日までの間の14日程度で、対象時間帯は13:00~16:00。最大20%のピークカットを目標としている。
今回の実証実験では、前日の天気予報において、翌日の電力需給のひっ迫が予想される場合に、地域エネルギーマネジメントシステム(CEMS)と連携したHEMSを通して参加対象家庭に対し、電力需要が高まる昼のピーク時間帯に電力使用抑制や節電行動の協力依頼を行い、電力使用のピークカット量最大化を図る。
各家庭では「エアコンの設定温度の変更」や「照明などの家電機器の電源オフ」、「洗濯や掃除を行う時間、外出時間の調整による節電行動」などを通して、ピーク時間帯の電力使用を抑制し、その電力削減量に応じて、各家庭にインセンティブ(報奨金)が支払われる。
また、通常料金体系のグループ、ピーク時間帯の料金を高めに設定したグループ、ピーク時間帯の料金をさらに高めに設定したグループなど5グループに参加世帯を分け、ピークカットの効果やピーク時の最適な価格設定について検証も行う。
東芝は、YSCPのプロジェクトマネジメントの立場で全体統括を担うとともに、CEMS、ビルエネルギーマネジメントシステム(BEMS)、HEMSなどのワーキンググループ幹事や中核メンバーとして参加。今回の実験では、実験の取りまとめ、CEMSの運用、HEMSとの連携などを担当。本実証への参加を通して知り得た知見、ノウハウを国内外の他プロジェクトへ活用していくことで、スマートコミュニティ事業をさらに加速していく。