Wind Riverは6月25日、次世代の通信機器やNFV(Network Functions Virtualization)、およびクラウドの進展に対応すべく、高パフォーマンスでオープンソースのリアルタイムカーネル仮想化テクノロジを提供する「Wind River Open Virtualization Profile(OVP)」を開発したと発表した。
通信業界は、データ通信量の飛躍的な増大がもたらす課題に直面している。急増する端末の接続により、ネットワークの逼迫が生じている。同時に、通信事業者は新たな収益源を生み出し、利用者または端末当たりの月間平均売上を増やすために、高度なサービスの迅速な投入を推し進めている。さらに、ネットワークの拡張や運用に要するコストを削減するために、ハードウェアの稼働や電力消費の効率化を模索し、SDN(Software Defined Networking)やNFVといった市場トレンドへの投資を行っている。
Open Virtualization Profileは、Wind River Linux向けの高価値なアドオンソフトウェアプロファイルで、オープンソースのカーネルベース仮想化技術KVMの最適化により開発された。リアルタイムディターミニスティックなKVMソリューションのメリットを、仮想マシン管理と商用組込Linuxのトップベンダによるサポートとともに提供する。最高レベルのパフォーマンス、コスト効率、ソフトウェアインテリジェンスのネットワーク全体での移植性を組み合わせた、スケーラブルでエンドツーエンドの、商用サポートの整った仮想化アプローチが導入できる。
Open Virtualization Profileでは、従来のベンダ固有のIT的な仮想化製品の使用に伴うパフォーマンスの低下なしに、ネットワークサービスを仮想マシン上に展開できる。独自のリアルタイムへのアプローチにより、アクセスからコアまで、ネットワークのどの部分においても、インテリジェントなサービスの柔軟な運用が可能な製品を構築し、ネットワークの効率向上と運用コストの大幅な削減を図ることができる。Open Virtualization Profileは、通信ネットワークの厳しい要求を満たす他、他の分野にも応用できる。
特徴は以下の通り。
- リアルタイム性を備えた高いパフォーマンス:測定値3マイクロ秒以下の超低レイテンシ
- 仮想マシンの柔軟なプロビジョニング
- 仮想マシンのライブマイグレーション
- CPUの分離
- オープンソースベース:Yocto Project、oVirtなどのフレームワークに対応
- 各種ゲストOSの幅広いサポート
- インテルアーキテクチャに最適化:インテルデータプレーン開発キット(Intel DPDK)とインテグレーション済みで、Intel DPDK Accelerated Open vSwitchをサポート
なお、Wind River OVPは2013年第3四半期より提供開始される。