マカフィーは6月25日、2013年第1四半期の脅威レポートを発表した。同レポートによると、FacebookやTwitterなどのSNS利用者をターゲットとした「Koobfaceワーム」の事例が急増しているほか、ここ3年間増加することのなかったスパムメールの件数も増加しているという。

「Koobfaceワーム」は、Facebookを利用したトロイの木馬型ワームとして2008年に発見された。手口としては、ソーシャルエンジニアリングの手法で、ウォールに動画リンクを投稿する。クリックすると、動画プレーヤーのアップデートを促され、実行ファイルのダウンロードを行うが、このファイルがKoobfaceワームでありPCを攻撃するというもの。

過去1年間の検知件数には目立った動きが見られなかったが、第1四半期に前年同期比の3倍まで増加し、過去最高の検出数を記録した。マカフィーはKoobfaceの増加について、攻撃者がSNS利用者を格好の標的と捉えていることを示していると分析している。

ほかに、スパムメールが約3年ぶりに顕著な増加を示し、2011年5月以来のメール数に達した。新興市場においてスパム広告が急増しているほか、pump and dump詐欺メールも確認されている。pump and dumpは、投資家を騙すスパムメールで、虚偽のインサイダー情報メールを不特定多数の人物へ大量にばらまくことで株価をつり上げ、攻撃者は利益を得る。

スパムメールが顕著な伸びを記録

ほかにも、モバイルマルウェアが前年同期比で40%増加していることやマスターブートレコード(MBR)に対する攻撃が過去2四半期で記録的な増加を示していることが報告されている。

同レポートは、「McAfeeセキュリティ研究レポート」よりダウンロードできる。