住友化学は6月24日、370mm×470mmサイズのガラス基板を用いて、423ppiの解像度を有する高分子有機ELディスプレイをインクジェット法で作製する技術を開発したと発表した。

有機ELディスプレイは、高精細で視認性が高く、自発光であるため高速応答性に優れ、消費電力が低い表示デバイスとしてスマートフォン用ディスプレイなどに採用されている。また、その製造工程において、インクジェット法は必要な部位のみに有機EL材料を塗布することができるため、低コストでの生産が可能とされる他、ディスプレイの大型化にも適しており、その量産技術の確立が期待されている。

住友化学は、従来から高分子有機EL材料ならびにインクジェット法による有機ELディスプレイの製造技術の開発に取り組んできた。今回、プリントヘッドやインクの特性などを最適化し液滴を微細化するなどして、423ppiの解像度のガラス基板に有機EL材料を精度よく形成することを可能とした。

なお、技術開発にあたっては、アルバックからインクジェット印刷装置を、またコニカミノルタから高精細用プリントヘッドに関する協力を得たという。

今後、住友化学では、高分子有機EL材料の性能改善を進めるとともに、製造プロセスをさらに改良し、高分子有機ELディスプレイの量産化を目指していくとしている。