The University of Maryland |
Hongli Zhu氏などメリーランド大学の研究者らは6月19日(米国時間)、木材をベースにしたマイクロバッテリを開発したと「A Battery Made of Wood?」において発表した。実験では安定して400回の充電と放電を確認でき、初期の蓄電容量は339 mAh/gだったと説明している。理想的には847 mAh/gまで出力できると推測されており、今後は改善が取り組まれる見通し。
研究者らは松の繊維を加工してバッテリーの素材として利用。きわめて細い松の繊維をスズでコーティングした素材をベースにバッテリーを構成している。現在主流のバッテリーはリチウムイオンを基本要素としているが、この木材ベースのバッテリーはナトリウムイオンを基本要素としている。ナトリウムイオンバッテリーは大容量化が可能だとみられており、現在のリチウムイオンバッテリーに変わる技術としてここ数年、注目度が上がっている。
ナトリウムイオンバッテリーはリチウムイオンバッテリーと比較して材料費用を廉価に抑えることができるほか、環境に与える影響も小さいとみられている。ナトリウムイオンバッテリーに関する研究開発は世界中の研究機関や企業において取り組みが進められている。