ホンダ(本田技研工業、本社・東京都港区)と産業技術総合研究所(産総研)は、ヒューマノイドロボット「ASIMO(アシモ)」の技術を応用し、東京電力福島第一原子力発電所の損壊施設内を調査する「高所調査用ロボット」を共同開発した。18日にさっそく同原発2号機の原子炉建屋で放射線量調査や写真撮影を行うなど、本格的な稼働を始めた。
同ロボットは、全長1.8メートル、幅0.8メートルで、重さが約1100キログラム。高所作業台車のマストの上部に、カメラや線量計など装着した調査用アームロボット(全長1.7メートル)が取り付けてある。マストを伸ばすと最大7メートルの高所を調査できるという。
アームロボットは、ホンダがASIMOの開発で培った技術を応用したもので、動く方向が11自由度もある複数の関節を同時に制御することで、狭く隠れて見えない場所にも入り込める。さらにアームが接触した時の衝撃も吸収し、周囲の状況をレーザーによって立体的に把握することができる。
調査用ロボットは長さ400メートルの光ファイバーまたは無線LANで遠隔操作して、クローラー(無限軌道)で進む。18日の2号機原子炉建屋の調査では、原子炉格納容器近くの天井や壁面などの内部状況を写真撮影し、放射線量も6カ所で測定した。
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