警察庁は6月20日、サイバー犯罪捜査の効率化を図るための新たな捜査体制について発表した。

サイバー犯罪捜査では現在、各道府県警察が頻繁に東京都内に出張してプロバイダに対する差押えなどを行っており、より効率的な捜査体制を確立する必要があるという。

また、インターネットバンキングを使用した不正送金に関しても、全国警察が協働して効果的な捜査を行うためには、初期捜査や情報共有などを迅速に行える体制が必要とされている。

これらの課題をふまえ、警察庁はこのほど、警視庁の捜査員と道府県警察から派遣される捜査員から編成された「サイバー犯罪特別対処班」を警視庁生活安全部サイバー犯罪対策課に新設し、捜査の効率化を目指す。この新体制の運用開始日は7月1日。

サイバー犯罪特別対処班の具体的業務は、「道府県警察からの捜査共助の依頼に対する対応」と、「インターネットバンキングに係る不正送金事案の初期捜査」の2つ。

「道府県警察からの捜査共助の依頼に対する対応」では、サイバー犯罪の事件捜査において、東京都の区域内に所在するプロバイダなどに対する差押えや検証を行うという。ただし、インターネット・ホットラインセンターから通報される違法・有害情報の事件捜査は対象外となる。

「インターネットバンキングに係る不正送金事案の初期捜査」には、関係金融機関からの申告を受けて行う事情聴取や、関係道府県警察の捜査に必要な関係資料の入手、口座凍結のための情報提供などが含まれる。