これまでごく薄く作った磁気を帯びた膜に対して電流をかけると磁極が誤った方向へスイッチしてしまうという不思議な現象が確認されていたが、この現象がどのような仕組みで起こっているのかをMITの研究者らが突き止めたことを、ExtremeTechの記事「New magnetic film could make storage technology 10,000 times more efficient」が伝えた。これはハードディスクなどの磁気記録媒体に大きな影響を与える可能性がある。

ExtremeTechの記事によれば、MITの研究者らが開発した薄膜をベースにしてハードディスクドライブなどのストレージデバイスを開発した場合、現在のストレージと比較して10,000倍ほどエネルギー効率の高いデバイスが開発できる可能性があるという。磁極を反転させるためのエネルギーが少なくても済むため、磁気記録をデータ記録の基本原理としているデバイスの多くが、今回発見された技術によってエネルギー効率を改善できる可能性がある。

しかも製造技術は現在の製造技術と互換性があるものであり、実現性の高い内容だと指摘されている。研究者らは、こうした薄膜技術がコンシューマ向けストレージ技術として活用されるのは、そう遠い未来の話ではないと指摘しているという。