アクセンチュアは6月18日、都内で会見を開き、6月15日付で「アクセンチュア インテリジェンス グループ」を「アクセンチュア アナリティクス」へと組織変更し、アナリティクス関連ビジネスを部門横断的に統括できる精鋭約300名で構成された体制を整えたことを明らかにした。
今回の組織再編は、日本におけるビッグデータの本格的な活用を企業が進める時期にきているとの判断のもと行われたもので、グローバルのアクセンチュア アナリティクス直下の組織として位置づけられ、世界の22のイノベーションセンター(東京を含めると23)と相互排他的にサービスを連携させることで、日本のみならず海外の専門的なリソースを活用することが可能になったという。
全世界に23あるイノベーションセンター。それぞれが別々に得意分野を分けており、例えばミラノではカスタマ分析に、マドリッドではビッグデータ解析に特化していたり、バンガロールではMBAを保持している分析担当者がソーシングという形で丸抱えして、客の要望に応えるようなサービスを提供している。また東京では、ソーシャルメディアアナリティクスを重点的に担当しているという |
アクセンチュアの程近智 社長 |
同社の程近智 社長は、「ビッグデータに意思決定革命が起き始めている。ディシジョンオプティマイザーという言葉を用いているが、強い企業になるためには最適な意思決定を行う人材を増やす必要がある。そうした企業の人間や風土まで含めた再設計が重要になってくる。アクセンチュア アナリティクスではデータアナリティクスが何人いて、それによってこういう計算結果を出します、というのではなく、そうした企業そのものの再設計にまで踏み込み、どれだけ革命を起こせるのか、に着目してサービスを提供していく」と、今回の組織再編における意気込みを語る。
世界的には、GoogleやYahooなどのデータビジネス企業の成長に刺激を受ける形で、膨大なデータを活用してビジネスを行おうという機運が高まっているものの、実際に企業内で、データを有用な情報にどうやって解析していくかという課題が生じるようになってきたという。それは日本でも同様だが、では社内に、複数の領域をまたいで、横断的に処理ができる人間はどれだけいるかというと、決して多いとは言えない状況にある。
決められない日本を変えるための組織がアクセンチュア アナリティクスであり、同社のデータサイエンティストたちによる統計学などを活用した分析からコンサルティング、実際の課題解決まで、単に分析だけで終わらせるビジネスとは異なる、同社としても次世代の戦略組織モデルと位置づけられている |
アクセンチュア アナリティクスの日本統括に就任した工藤卓哉氏 |
「そうした状況を改善し、意思決定に変革をもたらす答えの1つがアクセンチュア アナリティクスが提供する各種のサービス」(アクセンチュア アナリティクスの日本統括に就任した工藤卓哉シニア・プリンシパル)だという。
現在、パッケージとして提供される主なサービスは以下の6つ。
- ソーシャルメディア アナリティクスサービス
- AFS(Accenture Fulfillment Service) 在庫・補充最適化サービス
- アナリティクス研修サービスと診断サービス
- アップリフトモデル/インテリジェントプロセス
- Accentureレコメンドエンジン
- M2M/ビッグデータ アナリティクスサービス
これらのサービスを産業別、サービスカテゴリ別に分けて、必要に応じて、海外の専門チームの協力を受けながら提供することで、「アドバイザ的に一部だけ支援するという形から、完全請負や顧客が内製したいといえば、そのナビゲータとしての役割を担うこともある」(同)としており、そうしたことを通じて、顧客をLate MajoritiesやEarly MajoritiesからEarly AdapterやInnovatorの領域に引き上げられる手伝いができればとしている。
なお、同社では今回の体制変更で終わらせる予定はなく、ビジネス規模の拡大を図っていくことで、3年後には3倍の人員規模にしたいとコメントしている。