日本SGIは6月18日、ブレードサーバ製品「SGI ICE X」にインテル Xeon Phiコプロセッサー 5120D を搭載した新製品を追加し、販売を開始すると発表した。同製品は、HPC分野をはじめとする並列計算用途に適した製品となっており、2013年第3四半期に出荷開始を予定している。
インテル Xeon Phi コプロセッサー 5120D 2個とインテル Xeonプロセッサー E5-2600製品ファミリー2個を1枚のブレードサーバに搭載するSGI独自のデザインにより、高い処理性能と高密度化を実現。「SGI ICE X」のラインアップは、1ブレードあたり4CPUおよび2CPU搭載の既存モデルに、新たに発売される2CPUと2コプロセッサー搭載モデルを加えた計3モデルとなり、計算用途や要求性能に応じた柔軟な構成が可能な高性能クラスターシステムを提供する。
新しいコプロセッサー搭載モデルは、通常はPCIスロット用のボードとして提供されるインテル Xeon Phiコプロセッサーをブレードサーバ内のマザーボード上に実装し、これまで以上の高密度化を実現。「SGI Rackable Standard-Depth Servers」とコプロセッサーのボードを組み合わせた場合と比べ、1ラックあたりの最大搭載CPU数は80%多い144個、コプロセッサーは20%多い144個となり、インテル Xeon Phi コプロセッサーをボードに実装して高密度化を図った業界初の製品となっている。
また、「SGI ICE X」では、発熱量の大きいコプロセッサー搭載モデルおよび4CPU搭載モデルにおいて、熱交換効率の高い水冷方式の冷却システムを採用。本製品のブレードサーバは、高密度化のために2枚のボードを重ね合わせて1枚のブレードを構成しているが、冷却水が循環する冷却プレートをボードの間に挟んでコプロセッサーやCPUの発熱をコントロールするSGI独自の設計となっている。
SGI ICE X M-CELL の冷却フロー |
さらに、ブレードサーバを搭載したラックは、独自開発の熱交換機を搭載した密閉型キャビネット「SGI ICE X M-CELL」に格納し、温度が高くなるラック全体を水冷方式で冷却。ブレードサーバ自体とラック全体を別系統の冷却システムで冷やすことにより、高効率の熱処理を行う。本キャビネットの利用により、サーバルームの空調設備は不要となり、空調コストの大幅な削減が可能となる。