LLVM is a robust system, particularly well suited for developing new mid-level language-independent analyses and optimizations. |
LLVMプロジェクトは6月17日(米国時間)、LLVM Compiler Infrastructureの最新版となる「LLVM 3.3」を公開した。LLVMはコンパイラやツールチェーン技術を集約したソフトウェア。C/C++を筆頭にさまざまなプログラミング言語に対応し、開発も積極的に進められている。制限の緩いBSDライセンスを採用しており、コンパイル時間の短さや優れたバイナリを生成することなどから、OSSプロジェクトの中にはデフォルトのコンパイラをLLVMに変更するところも出てきている。
LLVM 3.3は性能の向上、新機能の追加、標準規約への対応、新しいアーキテクチャのサポートなどが盛り込まれたメジャーアップグレードバージョン。ベクタライザが追加されており-O3以上の最適化オプションが指定された場合に有効になるほか、ClangがC++'11に改善対応、新しいアーキテクチャとしてAArch64、AMD R600 GPU、IBM's z/Architecture S390が追加されたほか、PowerPCとMIPSのサポートも拡張されている。C++'11へソースコードスタイルを変更するためのコマンドも同梱されている。
当初の予定よりも遅れてのリリースになったが、LLVM 3.3の正式版が公開されたことは注目に値する。特にベクタライザの導入によるコンパイル後バイナリの性能向上はLLVMを採用する多くのOSSプロジェクトにとって恩恵を与えるものになるとみられる。