独SMA Solar Technologyの日本法人であるエス・エム・エイ・ジャパンは6月14日、都内で会見を開き、「太陽光発電モニタリングシステム」に関する説明を行った。

同社のモニタリングシステムは、すでに国内の大規模太陽光発電システムとして30システムに採用されており、6月13日時点で国内最大級となる京セラの鹿児島 七つ島 70MWプロジェクトでも採用されており、エンジニアが常駐して立ち上げを進めているとするほか、さらに50システムへの採用も決定しているという。

同社のモニタリングシステムは主に、産業向けモニタリングシステム「Sunny Portal」と、住宅向けモニタリングシステム「Sunny View」に分けられる。Sunny Portalの主な機能は「発電量や周辺環境などのモニタリング」、「複数のプラントなどで稼働するSunny Portalの管理」、「一日の発電量などのレポート」の3つで、同社が提供する通信機器と組み合わせることで、インターネットを介してWebブラウザやスマートフォンなどからドイツにあるデータ収集用サーバにアクセスし、積算発電量や売電量、日射量などのデータの確認が可能となるほか、障害発生連絡などを受け取ることが可能となっている。

すでに世界中で11万7000カ所以上の太陽光発電所がサーバ上に登録されているとのことで、15万人を超すユーザーが活用しているという。

産業向けモニタリングシステム「Sunny Portal」で得られるデータの表示画面例とその概要

一方のSunny Viewはというと、タブレット型デバイスで、タッチパネルによる操作で、発電量などを一般ユーザーが確認することができるというもの。SMA製パワーコンディショナ(パワコン)とはBluetoothで接続され、現在の発電量や売電情報、CO2の削減状況などさまざまな状況を知ることができる。また、パワコンの故障時のアラート通知や、TwitterやFacebookなどとの連携、SDカードへのデータバックアップなども可能だとのことで、システムインテグレーターを通じて、すでに国内で1万台以上が活用されているとする。

住宅向けモニタリングシステム「Sunny View」の概要

なお、Sunny PortalやSunny Viewで閲覧できるデータはすでに日本語への対応がなされており、利用者は手軽に状況確認などを行うことが可能となっている。

住宅向けモニタリングシステム「Sunny View」で表示される各種画面

また、同社はSunny Portalなどの屋外対応システムは、潮風や砂/噴煙などの対策をしっかりと施しているシステムであるため、沖縄県などではほぼ独占的に活用されているとするほか、冷却ファンなども用いていないため、発電システムそのものの低消費電力化、メンテナンスコストの低減などが実現可能となるとしており、今後、500kWや1MWクラスの工場内発電システムなどへの普及も含めて、日本国内での太陽光発電システムの普及拡大を図っていきたいとしており、「海外メーカーでの参入企業のうち、成功できる企業はそれほど多くないとみているが、我々は本社含めて日本国内にしっかりと地に足を付けた企業として事業を行っていく」とし、日本特有の商習慣や地域特性、ユーザーの性質などを日本人スタッフが加味する形で対応を進めて行くことを強調した

左は住宅向けモニタリングシステム「Sunny View」を構成する太陽光発電システム例。右下のタブレットがSunny View。右はSunny Viewの部分を拡大したもの。ユーザーはここから、発電状況などの様々な情報を得ることができる