ExtremeTechの記事「Organic photo sensor dumps silicon, promises to shatter CMOS imaging limits」が、富士フィルムおよびパナソニックが共同開発した新しい有機素材ベースのCMOSセンサーについて紹介している。この新しいセンサーは従来のセンサーと比較して鮮明度を引き上げながらノイズを減少することに成功しており、SN比 88dBという、従来のシリコンベースのCMOSセンサーと比較して12dBほどの改善を実現させているという。
高いSN比を実現できたことでダイナミックレンジが改善されており、従来のセンサーの4倍の光を集められると説明がある。これは従来のCMOSセンサーを使ってHDR撮影を実施するのに相当するクオリティの撮影を、1回の撮影で実施できることを意味している。掲載されている比較画像では、新しいセンサーで撮影した画像の方がノイズが少なく鮮明な画像になっている。
従来のシリコンベースのCMOSセンサーは、光を電気信号に変換できるシリコン素材を使っているが、今回富士フィルムとパナソニックが共同開発した新しいセンサーでは有機素材ベースの素材を組み込みながら同じことを実現しているという。吸収率が向上しているほか、レイヤーの高さが3マイクロンから0.5マイクロンへ縮小、さらに入射角も30℃~40℃から60℃へ広がっているという。