イグアスは6月14日、米3D Systemsが開発した低価格パーソナル3Dプリンタ「Cube」を6月17日より渋谷にある同社の3Dプリンタショールーム「CUBE」にて展示することを発表した。
イグアス代表取締役社長の矢花達也氏 |
これにより、同ショールームには、高精細な造形が可能な3Dプリンタ「ProJet」から、個人向け3Dプリンタまで、幅広い用途に向けた3Dプリンタが実際に触れる形で展示されることとなり、同社では3Dプリンタの活用領域をこれまでの製造業のみならず、デザイン業界やSOHO市場、一般消費者へと拡大できるようになるとしている。
Cubeはすでに先行して米国で販売が開始されており、日本からも個人輸入などで入手した人も居るが、イグアスの代表取締役社長である矢花達也氏は、「我々が国内の利用者に向けて保証や不具合対応などを加味した形で提供することで、ユーザーは憂いなく利用することが可能になる」とする。
Cubeは6月17日より16万円(税別)で受注を開始。本体カラーはシルバー、ホワイト、マゼンタ、ブルー、グリーンの5色が用意される。造形方式はPlastic Jet Printing(PJP)方式を採用しており、造形素材はPLA(ポリ乳酸)もしくはABSで、色数は各素材ともに16色。最大造形サイズは140mm×140mm×140mm、積層ピッチは0.2mmとなっている。
また、カートリッジの価格は各色ともに1本あたり6000円(税別)を予定している(容量は明言されていないが、iPhoneケースを15個作れる程度はあるとする)ほか、専用ソフトウェア「CubeSoftware」が付属しており、これにより専用フォーマットに変換し、USBメモリもしくはWi-Fi経由でCubeにデータを送信し、造形を行う流れとなる。
専用ソフトウェア「CubeSoftware」の操作画面。ここに表示されたデータをSTLファイルに変換してUSBメモリないしWi-Fiを経由してCubeに転送する |
Cubeの左側についている白い円形のものがカートリッジ。単色のみ利用が可能 |
矢花氏は「Cubeは3D Systemsが販売する200-300万円クラスの中型機と同程度の精度や質感を実現できるため、これまで3Dプリンタを使いたくても、価格が高くて使えなかった個人レベルでの利用が可能となる」とし、3Dプリンタの適用範囲が個人まで拡大されることで、ものづくりという分野に画期的な変革が訪れることになるとの期待を示し、「日本の若いクリエイターや学生なども含めて、新たなアイデアや感性を活用することで、これまでになかった応用分野にまで拡大を目指していきたい」と、意気込みを語った。
なお、同製品の販売は同ショールームのあるビルの1Fに設置されている「ファブカフェ」や専用Webサイト、ならびにパートナー企業であるケイズデザインラボにて行う予定とするほか、売れ行き次第では将来、量販店にも販路を拡大したいとしている。
また、初年度で700台程度の販売を見込んでいるとしており、Cubeの活用に向けた専用Webサイトでのユーザーコミュニティの形成によるものづくりの場の提供や、ワークショップ、時間貸しサービスなどの提供も行っていく予定としている。
3Dプリンタショールーム「CUBE」概要
設置3Dプリンタ:ProJet HD3500Plus/ProJet 1500/V-Flash/Cube(3D Systems製)。3D TOUCH(Bits from Bytes製)
設置3Dスキャナ:bodySCAN 3D(breuckmann製)
営業時間:平日9:00~17:30
所在地:東京都渋谷区道玄坂1-22-7 道玄坂ピア2F
問い合わせ:03-6416-5780