カネカは6月12日、照明用有機ELパネルを製造する100%子会社であるOLED青森に、有機材料の真空蒸着工程において、新たに面蒸着技術を取り入れた量産実証設備を増設し、4月より稼働を開始したと発表した。
既存設備は蒸着源が1つのポイントソース、もしくは蒸着源を線状に並べたリニアソースによる蒸着方式を採用していたが、今回、量産が可能な設備としては初めて面蒸着方式を採用した。同設備では、既存設備と比べ、面内蒸着膜厚分布を5%から3%以内に抑えられるのに加え、材料使用効率を約5%から20%強へ向上させることができるため、これにより、有機ELパネルを製造するために使用する高価な有機材料の使用量を抑えられ、変動費を従来の約40%に削減できるようになるという。
また同社では、今後、1m四方相当の大面積蒸着装置を導入することで、さらなるコストダウンを目指すとしている。