Freescale Semiconductorは、同社のRFパワーソリューション「Airfast」のフラッグシップファミリとして、陸上移動無線(ランド・モバイル)市場の要件に対応可能な破壊耐性を備えたLDMOSパワートランジスタ3製品ならびにGaNトランジスタ1製品を発表した。

今回発表されたLDMOSパワー・トランジスタ「AFT09MS007N」、「AFT09MP055N」、「AFT09MS015N」は、移動通信VHF/UHF/700~900MHzトランシーバ向けに設計されたもので、過酷な運用条件下においても安定して動作し、ランド・モバイル・アプリケーションにおいて、安定性、ゲイン、破壊耐性の高いバランスを実現するという。

また、アンプやRFパワー・トランジスタを悩ます過電圧や過入力が同時にある場合でも、65:1以上のVSWRに対応できるように設計されているほか、安定性の維持に必要とされる回路のほとんどが統合されているため、設計の簡素化が可能となり、幅広い動作環境の下で安定性を実現することができるようになるとする。

一方のGaNデバイス「AFG30S010」は、マルチバンド・アプリケーションをターゲットとしたもので、136~941MHz周波数帯域全体にわたり10Wの消費電力と、過電圧や過入力が同時にある場合でも、20:1以上のVSWRに対応が可能となっている。また、複雑な保護回路を不要にすることが可能なため、全体的なシステム・コストの削減も可能となっている。

なお、AFT09MS007NとAFT09MP055Nは、2013年第2四半期に量産出荷を開始する予定のほか、AFT09MS015NとAFG30S010は、2013年第4四半期にサンプル出荷を開始する予定だという。

また、同社は併せて、新規や既存の民生用RFパワー/マイクロ波RFデバイスを米国の航空宇宙/防衛(A&D)市場に投入していくことも発表している。こちらは、GaN RFパワー・トランジスタ製品、LDMOS RFパワー・トランジスタやGaAs MMICで構成される400種以上の製品ポートフォリオが対象となり、これらの航空宇宙/防衛アプリケーション向け製品は、同社の航空宇宙/防衛市場とその顧客に特化した専門チームによってサポートされることになるという。

LDMOSパワー・トランジスタ「AFT09MP055N」のパッケージ外観