日本IBMは2013年6月12日、企業のビジネスインテリジェンス(BI)基盤を提供するソフトウェアの最新版「IBM Cognos Business Intelligence V10.2.1」を発売した。ライセンス料金は1,526万3,535円(税込、100名のWeb/モバイルレポート参照ユーザー)。
最新版であるV10.2.1は、ビジネスにBIを活用するユーザーから寄せられた要望に基づき、分析対象データの量と種類の急増や多様化する分析結果の表示・表現に対するニーズへの対応を強化し、パフォーマンスを増強して新たな機能を追加・拡張した。
ビッグデータの活用においては、Hadoop上にある多様かつ膨大なデータやストリームコンピューティングによるリアルタイムデータとの連携を実現した。IBMのHadoop基盤を構築するソフトウェア「IBM InfoSphere BigInsights」のほか、Cloudera、Houstonworks、Amazon Elastic MapReduceなど、主要なHadoop基盤との連携が可能となった
多角的かつ視覚的な表示・表現の機能においては、ユーザーの多様化する要望を実現する機能「RAVE(Rapidly Adaptive Visualization Engine)」を実装した。RAVEは、IBMの保有している視覚化におけるテクノロジーのノウハウを応用したエンジンであり、ビッグデータを可視化し、より視覚的に表現することができるという。また、VizJSON(visualization JavaScript Object Notation;視覚化に関するJava Scriptの表記法)に対応しており、あらかじめ登録されているグラフ表記に加えて、ユーザーによる新規グラフやグラフ属性の追加やカスタマイズにも柔軟に対応する。
パフォーマンスの向上においては、インメモリーDB上のデータをBI分析のために呼び出し構成するための機能「Dynamic Cube」を拡張し、メモリー使用効率の最適化などによる処理の高速化を実現した。IBMのハイブリッドデータベース基盤ソフトウェア「IBM DB2」の最新版(V10.5)に搭載された、高速データ分析処理機能「BLUアクセラレーター」と連携することにより、従来のDB2との連携に比べ、分析のためのデータの読み込み速度は18倍、クリックしてから結果を表示するまでの応答時間は14倍にも高速化したという。