日立製作所は、企業の複数拠点間のデータ通信速度を向上させるネットワーク高速化装置「日立WAN アクセラレータ」のラインナップに、従来モデルよりも低価格で、企業の支社/支店、開発拠点といった比較的小規模なオフィスや拠点などへの適用を想定した新モデル「日立WAN アクセラレータ オフィスモデル」を追加した。6月13日から国内外で販売を開始する。
従来のTCP通信ではWAN回線上で発生する往復遅延時間やパケット廃棄によってTCPセッションあたりの転送性能が大きく低下するという課題があったが、新製品では、日立の独自アルゴリズムでTCPの転送性能の低下を抑え、WAN回線の物理帯域を最大限に活用することにより、キャッシュ技術では困難な、日々更新される大容量データの転送時間を短縮する。
今回、販売を開始するオフィスモデルは、最大TCPセッション性能が30Mbpsに対応し、支社/支店、開発拠点といった比較的小規模なオフィスや拠点などへの適用を図るもの。なお、オプションライセンスの追加購入により、最大TCP セッション性能と装置あたりの転送容量を50Mbps、100Mbpsへと段階的なアップグレードが可能。価格は840万円~で、10月31日より出荷が開始される。
また同社は同時に、「リモートバックアップモデル」においても、 最大TCPセッション性能を従来タイプの1Gbpsから150Mbpsとした新タイプを追加。国内のデータセンター間の高速バックアップに加え、国内と海外のデータセンター間にも適用可能となる。なお、オプションライセンスの追加購入により、最大TCPセッション性能と最大転送容量を300Mbpsへアップグレード可能。この製品を利用すれば、データセンター間でのデータの共有・バックアップを効率的に行えるため、災害による障害発生時のデータ消失リスクに備えるディザスタリカバリ対策に活用することが可能になるという。価格は2,415万円~で、9月17日より出荷が開始される。