電通は6月11日、開発途上国の社会課題と企業の商品をマッチングさせることで、現地への市場参入を目指す企業のマーケティング活動を支援するプログラム「d-IMPACT(Dentsu-Inclusive Marketing Platform with Applied Communication Tool)」を開発したと発表した。
本プログラムの特徴は、エンタテインメントと教育の融合を図った「エンターテイメント・エデュケーション」という手法の活用すること。この手法は、映像などを通して、人々の行動や社会生活をより良い方向に変化させていく取り組みで、開発途上国における感染症予防などの啓発活動に用いられている。
電通は、この手法をマーケティングの観点から捉え直し、開発途上国が抱える社会課題と企業の商品をマッチングさせることで、社会課題の解決と生活者による商品の購入を同時に実現していくプログラムを開発。ターゲットとなる生活者自身の啓発につながるリアルなコミュニケーションの場を設定し、「エンターテイメント・エデュケーション」を実施。現地で社会課題となっている保健衛生や健康・栄養問題などについて楽しく学んでもらいながら、そうした課題の解決につながる商品に触れ、実際に利用できる仕組みを構築する。
これにより、生活者は商品に関する開発意図や効能などを知ることで、企業や商品への理解を深め、やがてその商品を購入するようになる。
具体的には、都市に近接した農村部に移動映画館を開設し、地域住民を集客した上で、日本映画(実写版「鉄人 28 号」の予定)などのコンテンツと同時に、保健衛生・健康知識と商品を関連付けた教育コンテンツを上映。その後、会場でサンプリングや体験会を行うとともに、新たな購買機会の創出や販路の開拓を行っていく。
同社オリジナルのプログラムである「d-IMPACT」は、こうしたコミュニケーションの仕組みを活用することにより、生活者の潜在ニーズを引き出したり、生活者に持続的な購入を促したりするといった、開発途上国で企業が直面するさまざまなニーズをサポートしていく。