「嘘はいけません」「正直になりなさい」――子どものころから繰り返し言われたことだが、残念ながら現実社会には嘘付きがいる。だがうっかりだまされたくはないもの。
ミステリー映画やTVでは、犯人はそわそわしていることが多いが、実際のところどうなのだろうか? Incが「嘘つきを見分ける3つの方法(原題 : 3 Ways to Spot a Liar)」という記事で、その調査を紹介している。
調査を行ったのはハーバード・ビジネス・スクールだ。利用したのは、ペアを組んだ2人のうち1人にお金を渡し、お金を受け取った方(A)がもう片方(B)に分け前を渡すという「最後通牒ゲーム」だ。このゲームでは、Aから分け前を差し出されたBは「受け取る」または「額に不服なので拒否する」を決める。Bが拒否を選ぶと、Aも自分の手元にお金は残らない。つまり、Aが分け前を決めることができるが、Bが不服の場合はAももらえないことになる。
ハーバード・ビジネス・スクールのチームは、ゲームの過程でAが嘘をつくことができるようにアレンジした。
BにはAが持っている金額を知らせず、ゲーム開始前にAとBは話をすることができる、という内容に変更したのだ。つまり、AとBは事前に分け前について話し合うことができる。その結果、Aの役をした3割がいくらもらったかについて嘘をついたり、またはもらった額に関する質問を回避したという。
調査では、この過程での参加者の会話を分析して、嘘をついた人の3つの特徴を導き出している。
おしゃべりになる
嘘をついた人はついていない人よりも、よくしゃべっていることが分かった。おそらく、受け取る側の懸念や疑念をそらしたいのだろう。ぐんぐん伸びていくピノキオの鼻と同じだ、と指摘する。おしゃべりであるだけでなく、分かりにくい言い回しを使う人も多かったという。ごまかしの心理だろうか?誓約する
嘘をついた人は誓いを示唆する態度が多かったという。特に、受け取り側のBが疑り深い意見を発すると、そのような態度が多く見られたとのこと。一人称を避ける
「私」「僕」などの自分を明確な主語としないことが多いこともわかった。嘘をついた張本人となるのを避ける意識が働いていると分析している。
調査では、受け取った人(B)がどの段階でAを信じたかについても調べている。悪びれずに嘘を付く人に対しては信用してしまう傾向が強く、もらった額についての質問を回避した人よりも嘘に成功していることが分かった。堂々と嘘を付く方が悪いはずだが、こちらの方が嘘に成功している、と結果をまとめている。