Freescale Semiconductorは、多様なセンシング技術を統合した組み込みシステムの開発を加速・簡素化する「Xtrinsic」インテリジェントセンサフレームワーク(ISF)を発表した。
同フレームワークのソフトウェアインフラストラクチャやプログラミングインタフェースにより、「FXLC95000CL」プラットフォームなどのセンサ「Xtrinsic」やマイコン「Kinetis」がセンサハブとして機能するようになる。これにより、時間のかかるセンサ統合のタスクが不要になるという。
「Internet of Things(IoT):モノのインターネット」の拡大に伴い、産業システムや医療機器、民生用機器など、様々な製品に対して、組み込みインテリジェンスと先進的なセンシング技術の導入が急速に進んでいる。製品設計に組み込むセンサの数を増やすと、魅力的な機能や将来性のある新アプリケーションが実現するが、その一方で、センサの数が増えることで組み込みシステムが複雑になり、多様な情報の収集、解釈、効率的な活用、そして分野や状況に応じた適切なデータの適用が難しくなるという課題が生じる。
Xtrinsic ISFは、カスタム組み込みアプリケーションを実行するためのランタイム環境を提供するオープンフレームワークで、様々なセンサからデータを収集する統合インタフェースを提供するもの。ISFセンサアダプタによってセンサ通信に関する詳細データがすべて処理されるため、センシング情報を容易にシステムに追加できる。また、パワーマネジメント、バス管理、コマンドインタープリタ、ホストプロキシといった機能を備えているため、統合のための労力が軽減し、開発時間を短縮できる。さらに、新しいセンサアダプタの書き込み/統合を行って、カスタムソリューション向けセンサデータフュージョンを実現できる。
Xtrinsic ISFは、「Xtrinsic FXLC95000CL」プラットフォームに対応する。「FXLC95000CL」は、組み込み3軸加速度センサと組み込みColdFire 32ビットマイコンを統合しており、サイズのMQX 3.7 OSを実行する。また、センサマネージャや、基盤マイクロコントローラの完全なハードウェア抽象化が含まれており、拡張現実(AR)、ゲーム機、医療/ヘルスケア機器、玩具、スポーツ機器、改ざん検知、リモコンなど、1つまたは複数のセンサ技術を必要とする様々なアプリケーションに利用できるという。
なお、FXLC95000CLプラットフォーム向けXtrinsicインテリジェントセンサフレームワークは、すでにFreeescaleのWebサイト上にて提供されている。