三菱重工業は6月7日、宇宙ロケットの商業打ち上げに関する協力覚書(MOU)をアリアンスペースと締結したと発表した。アリアンスペースは1980年に設立された世界初の商業衛星打ち上げ会社で、三菱重工によるとアリアンスペースの商業衛星打ち上げ市場シェアは50%を超えるという。
7日に行われた協力覚書の交換式は、三菱重工 大宮 英明 取締役会長、アリアンスペース ジャック・ブルトン 取締役営業担当上級副社長が出席し、来日中のオランド仏大統領と安倍 晋三首相も同席のもと首相官邸で行われた。
三菱重工によると、日本の宇宙産業とアリアンスペースの協力関係は、ロケットとペイロードのインタフェース共通化を目指す意見交換から始まったという。
その後、日本の宇宙産業の中核を担う三菱重工とアリアンスペースは「ローンチ・サービス・アライアンス」を米ボーイングなどと締結していた。これは、商業衛星の打ち上げを予定している三社保有ロケットが何らかの理由で打ち上げ困難となった場合、あらかじめ決められていた他のメンバー会社で代替打ち上げを行うもの。
なお、協力覚書では、これまでの協力関係の成果を踏まえ、新たな打ち上げサービスの創造や射場における衛星準備作業の標準化などを検討することに合意したという。これにより同社では、商業打ち上げ市場の更なる発展と両社事業のサービス向上をはかっていくとしている。