Broadcomは、デスクトップPCやノートPC、タブレット、スマートフォンなど、エントリーレベルのコンシューマデバイス向けに第2世代5G Wi-Fiコンビネーションチップ「BCM43162/4339」を発表した。
企業や小売業のルータにおけるIEEE 802.11acへの移行に伴い、PCやタブレット、スマートフォンでのIEEE802.11acの採用が進んでいる。こうした中、同社では、5G Wi-Fiのパフォーマンス、レンジ、消費電力のすべてのメリットを1チップで実現する低価格のソリューションをOEMに提供することで、市場拡大への対応を図っていくことを目的に、今回のチップを開発したとする。
すでに同社の5G Wi-Fi技術は、最近発表された韓国Samsung Electronicsのスマートフォン「Galaxy S4」や、台湾HTCの「HTC One」に採用されているほか、米Belkin、バッファロー、米Cisco、米D-Linkなどのルータにも採用されているが、1チップ5G Wi-Fiの投入により、同社では、さらに市場の拡大を見込むことが可能になるとコメントしている。
BCM43162は、MicrosoftのWindows OSを搭載したデスクトップ/ノートPC向けPCIe(PCI Express)ベースのクライアントソリューションで、一方のBCM4339は、SDIO(Secure Digital Input Output)インタフェースを採用した、WindowsまたはAndroid搭載スマートフォン/タブレット向けモビリティソリューションで、2製品とも同製品は、同社のフラッグシップ5G Wi-Fiコンボチップ「BCM4335」と同等のパフォーマンスとレンジ、低消費電力を実現しつつ、フロントエンド全体、パワーアンプ(PA)や低ノイズアンプ(LNA)を統合することで、低コストを実現することが可能だという。
低コスト化としては、5G Wi-Fi PAおよびLNA技術の統合により、小型フォームファクタデザインと全体的な部品コストを削減することを可能とした。また、 ビームフォーミングとLDPC(低密度パリティチェック)コードの送信により、広いカバレッジと家庭全体で利用できる強力なメディア/データアプリケーションを実現したほか、無線LAN(WLAN) PHYレート433Mbpsの高速性や、独自のTurboQAMによる2.4GHz帯の速度の33%向上、ならびに独自のChannel Smoothing WLAN PHYによる802.11n/acのレート全体で受信感度を平均2dB改善などが施されている。さらに、BCM4339は、LTE(Long Term Evolution)との併存も実現しているという。
なお2製品はすでに、一部顧客向けにサンプル出荷を開始しており、量産出荷は2013年後半を予定している。