EMCジャパンは6月6日、同社のビジョンや製品戦略を紹介する説明会を開催した。Software Defined Storage「EMC ViPR」をはじめ、米国ラスベガスにて先月開催された「EMC WORLD」での発表内容を基に、今後展開する新たな取り組みを紹介している。

アプリケーション向けプラットフォームを提供する新会社「Pivotal」

EMCコーポレーション 副社長 兼 EMCジャパン 代表取締役社長の山野修氏

発表会ではまず、米EMC、米VMware、米GEが共同出資するかたちで今年4月に設立された新会社「Pivotal」を紹介。Pivotalは、同グループにおいて、EMC、VMwareに続く、3社目のIT基盤ソリューション企業として位置づけらており、「クラウドおよび"ビッグ&ファストデータ"を担う、アプリケーション向けプラットフォーム」を提供していくことを明かした。

Pivotalは、CEOに前VMware CEOのPaul Maritz氏が就任し、EMCグループからの移籍ですでに1250人の社員を抱える。グループで保有していた、Springフレームワーク、Greenplum、GemFire、Cloud Foundryなどのソフトウェアも譲り受けたうえ、新たなソリューションの提供も予定しており、2013年ですでに3億ドルの収益を見込んでいるという。

Software Defined Storage「EMC ViPR」

続いて、山野氏はEMCの"本業"とも言えるストレージ分野のトピックスを紹介。EMC WORLDで発表された新コンセプト「Software Defined Storage」を説明したうえで、それを具現化する製品として「EMC ViPR(バイパー)」について解説した。

Software Defined Storageは、その名の通り、ソフトウェアで定義するストレージ。仮想化技術を活用し、複数台の物理ストレージを論理的にまとめたうえで、そのストレージ容量をプールし、パフォーマンスなども考慮しながらサーバに対して必要量を自動的に割り振るというものである。

ViPRは、コントロール・プレーンとデータ・プレーンの2層から成るアーキテクチャを採用しているという。データ・プレーンでは、ブロック・ストレージ、ファイル・ストレージ、オブジェクト・ストレージなど、さまざまな種類の物理ストレージを束ね、コントロールプレーンでは、プロビジョニングやセルフ・サービス・ポータル、レポート作成、自動化などの機能を提供する。

ViPRは、VMwareはもちろん、Microsoft製品やOpenStackとの連携も実現されるほか、REST APIも提供する予定で比較的自由に拡張可能。また、物理ストレージに関しても、EMC製品のみならず、サードパーティ製品もサポートされるため、幅広いストーレジを取り込むことができる。

ViPRでは、Microsoft製品やOpenStackと連携可能。REST APIも提供される

なお、ViPRは今年後半のリリースが予定されている。主にデータセンターや大企業など、クラウド環境を活用する企業に対して訴求していくという。